フランス、新型コロナ感染減で3年ぶりに【マスクなし】の新学期

2022.08.30

2022年8月30日(火)、あさって9月1日より、フランスでは幼稚園から高校まで約1200万人の子供達の新学期が始まります。新型コロナ感染者数は現在1日14,000人と最低レベルにまで減少していることから、学校は特に制限のない「コロナ禍前の状態」でスタートします。また、人手不足が顕著となっている教員の給与、および就学児童への文房具補助金も大幅に引き上げられました。

 

【ウィズコロナ】授業は全てマスクなしの対面で

今年の新学期は小学校から高校まで、マスクの着用義務なしの対面授業が行われます。

スポーツなどの運動も、屋外、屋内共に人数制限や入れ替え制といった制限もなく行うことが許可されています。ソーシャルディスタンスや手洗い、定期的な教室の換気に関しては引き続き「推奨」しています。

パップ・ディアエ(Pap Ndiaye)教育相は、学校での対策の変更は、発表から10日間の猶予付きでそれぞれの学校で施行されると発表しています。

 

学校内の感染対策3段階とは?

フランス教育省では、感染状況の深刻度を低い順から1ヴェール(緑)、2オランジュ(オレンジ)、3ルージュ(赤)の3段階に分け、全国の学校に推奨する対策を決めています。

この対策は自治体ごともしくは国全体と、新型コロナの感染拡大状況に応じて施行されます。段階的に対策を施すことで児童と先生たちを保護しつつ、学校閉鎖を避けることを目的としています。

ただし、感染状況がレベル3、つまり深刻な感染拡大となった場合は、自治体の状況次第では学校閉鎖となります。

高校に関しては、レベル3になった場合でも、感染状況が深刻でない自治体では対面と遠隔を合わせた授業も可能と定められています。

 

教員の給与、10%の大幅引き上げ

学校教師の人材不足が深刻化する中、8月25日、マクロン大統領は教員および学校関係者の給与を10%引き上げると発表しました。

また、2023年より初任給を手取り2,000ユーロ(約278,000円/1ユーロ=約139円)にまで引き上げる事が決まっています。ディアエ教育相は「教員の給与レベルの引き上げは最優先事項ではあるが、それだけでは不十分」と述べています。

臨時雇いの教員は全体数の0.3%を占めていますが、教員不足の穴を全て埋めるには至っていません。

 

文房具やスポーツ用品高騰、補助金、インフレ法で追加引き上げ

フランス・ファミーユ(”France famille”:フランスの家族)という非営利団体の発表によると、今年中学1年生の児童一人あたりにかかる文房具代は、平均208,12ユーロ(約28,928円)で、昨年2021年の 199,64ユーロ(約27,749円)よりも4.25%増えています。

また、スポーツ用品は14,98%も値上がりし、昨年の平均支出48ユーロ(約6,672円)から55.19ユーロ(約7,671円)に跳ね上がっています。

文房具補助金、5.8%引き上げ

未成年で就学する児童に支給される文房具補助金の今年の支給額は、4月に前年比1.8%の引き上げが決まっていましたが、先日決まったインフレ特別法案によりさらに4%の追加引き上げが行われました。

児童の年齢により支給額は、392.05(約54,494円)〜428.02ユーロ(約59,494円)となっています。

執筆:マダム・カトウ

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