フランスワイン 猛暑で干ばつの2022年 ブドウの収穫は?

2022.08.26

8月26日(金)、春の悪天候や猛暑、干ばつと、ワインの原料であるブドウの生産には今年も厳しい状況が続きましたが、フランスの2022年のブドウの収穫は一部の地域をのぞいて良好でした。フランスの秋の風物詩だったブドウの収穫は毎年時期が早まり、今年もその多くが夏に行われています。

 

2021年のドン底から回復、収穫予想4500万ヘクトリッター

2021年、春に大粒の雹が降るといった災害に見舞われ、ブドウの生産高は3750万ヘクトリッターと過去20年で最低レベルにまで減少していました。2000年に6,000万ヘクトリッターだった生産高は、2006年ごろから5,000万ヘクトリッターを割る年が続いています。

今年も春に雹など悪天候の被害にあった地域はロワール渓谷(Val de Loire)、シャロント(les Charentes)、ボルドー( le Bordelais) およびアルマニャック(l’Armagnac)と広範囲に渡りますが、壊滅的となったシャロント地域をのぞいて回復しています。

記録的な猛暑、ブドウの品質向上に貢献?

6月後半の記録的な猛暑による干ばつは被害ももたらしていますが、一方暑さで苗木が病気から守られるというメリットもあり、そのおかげで今年収穫されたブドウの品質は概ね良好なようです。

 

温暖化で早まる収穫時期、今年も記録更新

ほぼ全ての生産地で、今年も収穫時期が早まっています。

南西フランス、ラングドック地方(Languedoc-Roussillon)では7月後半に今年の収穫が開始されています。

夏休み、猛暑、季節労働者確保に四苦八苦

秋に行われていた収穫が前倒しになると、7月、8月に収穫するための季節労働者が必要になりますが、バカンスシーズン真っ最中のこの時期に労働力を確保するのは至難の技です。

しかも夏休みでラングドック地方に観光客が押し寄せているため、季節労働者のための安価な宿泊を確保することも難しくなります。

働く人にとっても、40℃を超える真夏の畑での収穫は体力的に大きな負荷がかかります。

シャンパーニュ、8月中旬から収穫開始

天候による被害が比較的少なく、今年の生産高が高いシャンパーニュ地方(Champagne)でも、8月に最初の収穫が開始されています。

この地方で8月に収穫が開始されるのは、2003年以降今年で実に8回目となります。

 

ボルドー、早く熟したブドウ、ワインの味に影響する?

ボルドー地域では、白ワイン用品種の収穫が昨年よりさらに2日前倒しで開始され記録を更新しました。

ボルドーワインの生産者は、あまりにも早く熟してしまうブドウは酸味や爽やかさに欠け、最終的に出来上がるワインのバランスを崩すのではないかと危惧しています。

ブルゴーニュ地方(Bourgogne)の最南に位置する村では、今年の記録的な猛暑の影響で赤ワインに使うガメー種のブドウの代謝が悪くなり、食用品種でよく干しブドウにも使われるコリント種のようになるのではないかと懸念しています。

2022年のフランスワイン、当たり年になるでしょうか?

執筆:マダム・カトウ

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