フランス 5月なのに30℃超え 干ばつによる不作懸念

2022.05.20

フランス5月なのに30℃ パリでも熱帯夜

5月20日(金)、先週末から今週にかけフランス全土で28℃を超える猛暑となっています。南フランスでは最高気温が33℃を超えるなど、5月の最高気温の更新が相次いでいます。農業関係者は干ばつによる不作を懸念しています。

 

フランス全土で「異常な高温」、5月のパリで熱帯夜

今週18日、南西フランス、アルビ(Albi)の最高気温は33.7℃、トゥールーズ(Toulouse)で33.4℃、モンテリマール(Montélimar)では33.8°Cと過去最高記録を更新し、フランス全土で最高気温が28℃〜34℃になったと、フランス国立気象庁(Météo-France)は発表しています。

この日はパリの日中の最高気温も30℃に達していますが、特記すべきは夜間の最低気温も20℃と熱帯夜になり、パリ北部の郊外ロワシー(Roissy)では21.5℃が観測され、最も高い最低気温の記録を更新しています。

今年は5月頭から季節外れの「高温」が続いていますが、フランス全土の平均気温は例年より3℃も高く、戦後最も暑い5月となりました。

やはり異常気象だった2011年5月の全国平均気温が例年+1.85°Cだった事からも、年々暑さが増しています。

地球温暖化による気候変動が進み、猛暑がより頻繁に訪れ、時期も7月を待たずより早い時期に起こっていることがわかります。

この暑さは今週末まで続くと予想されています。

38日間連続「例年並みを超える」異常気象

異常気象による猛暑はまた年々「より長く」続く傾向にあります。今年は4月11日からすでに38日間連続で気温が「例年並み」よりも高くなっており、2年前の記録を更新しています。

ちなみに「例年並み」の定義は、1981年〜2010年までの30年間のデータをもとに算出されています。

 

2022年フランスの干ばつリスク、確実に

5月の高温続きで干ばつのリスクが高まっています。

フランス政府が公表した「夏までの3ヶ月間の干ばつリスク」によると、全54県中主にフランス西部と南東部の22県が「干ばつの確率が特に高い県」(レッドゾーン)に指定されています。

その次に「干ばつのリスクが高い」オレンジゾーンには数十県が指定されています。

干ばつリスクは、河川や湖などの水位の低下具合、降水量、地下水量および地面の水分含有量などのデータから算出されます。

また、給水制限や節水の呼びかけを公表する仏政府ホームページ『プロプリュヴィア』(”Propluvia“)によると、今年すでに54回の給水制限が16の自治体で発令されていることがわかります。対象になった県はやはり南東フランスと西フランスが主ですが、何度か北フランスでも発令されています。

警報が出されると、主に農地やゴルフ場などでの放水が制限されるほか、個人宅でも庭の水撒き、洗車などが制限されます。

 

どうなる?今年夏のフランス

フランス環境連帯移行省(ministère de la Transition écologique)の水および生物多様性部(Direction de l’eau et de la biodiversité)によると、この春の異常な暑さでフランス全体の貯水量が減っています。

またローヌ渓谷(vallée du Rhône)地域では暑さにより、オゾン値が異常に高くなっているといった新たな問題も発生しています。

こういった問題がいつまで続くのか、今年の夏はどうなるのかが気になるところですが、フランス気象庁によると「春の猛暑は、その年の夏の暑さの予兆ではない」ようです。

執筆:マダム・カトウ

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