ウクライナ難民1週間でフランスに7,500人到着、今後10万人を想定

2022.03.11

フランスにウクライナ難民7500人到着

パリ11区の区役所に立てられたウクライナ国旗(筆者撮影)

3月11日(金)、ジェラール・ダルマナン(Gérard Darmanin)内相は昨日10日の記者会見で、ロシアのウクライナ侵攻によるウクライナ難民を7,500人受け入れたと発表しました。政府はさらなる受け入れ準備を進めていますが、民間からも多くの支援が寄せられています。

 

2日間で3000人到着、10万人規模の受け入れ準備

欧州諸国が一丸となって大量のウクライナ難民の受け入れを進めていく中、ダルマナン内相は「フランスはすでに25,000人の受け入れ準備が整っており、状況に応じて人数を増やしていく」とコメントしています。

フランス政府はウクライナ難民受け入れ対策本部を設置し、昨日第一回目の緊急会議が行われています。

会議後の記者会見で、オート・マルヌ県知事ジョセフ・ジメ(Joseph Zimet)氏は「5万から10万人の受け入れ先を準備しておく必要がある」と発表しました。

この対策本部のミッションは、到着した難民を受け入れ先へ分配し、受け入れる自治体や非営利団体、企業などを支援することです。

そうすることで「皆の協力が無駄にならないように、効率よく任務を遂行する」ことができると知事はコメントしています。

 

パリ郊外の宿泊施設、すでに「ほぼ満杯」

最初の難民が到着してから1週間あまりですが、緊急宿泊施設の準備や滞在ビザの緊急発行など、フランス政府は迅速かつ臨機応変に対応しています。

ロシアのウクライナ侵攻から2週間が経過し、戦火を逃れ祖国から脱出したウクライナ人は200万人にも登ります。

そのうち今までにフランスに到着した人たちはごく僅かでしかありません。

昨年のタリバンによるアフガニスタン政権奪取で国外に脱出した難民の受け入れもままならない状況であるため、今後大幅に増えると思われるウクライナ難民を受け入れるのは容易ではありません。

ダルマナン内相によると、パリ郊外イル=ド=フランス地域圏では、すでに受け入れを行った3,000人の緊急宿泊所となっている体育館やホテルがすでにほぼ「満杯」になっています。

 

個人から「難民受け入れ」オファー2万件

難民の中には、フランス政府が用意した緊急宿泊施設以外にもフランスにいる親戚や知人宅に身を寄せた人もたくさんいます。

政府の発表によると、それ以外にも個人からウクライナ難民受け入れの申し出が続々ときており、その数は現在2万件にものぼります。

さらに企業や自治体からの受け入れオファーも6,000件ほどきています。

 

子供たち、到着1週間でフランスの学校に入学

フランス公民権担当政務大臣マーレーヌ・シアパ(Marlène Schiappa)氏は、今週水曜日、政府が立ち上げたサイト『私はウクライナのために協力します』(« Je m’engage pour l’Ukraine »)に32万件ものアクセスがあったと発表しています。

EU加盟国に到着したウクライナ難民の3分の2は女性と子供で、彼らは特別な難民一時保護の恩恵に預かっています。

これだけ手厚い受け入れは2001年のEU発足以来初めてで、前例がありません。

1週間前にフランスに到着した第一陣の難民のうち、265人の子供達はすでにフランスの学校に入学しています。

ダルマナン内相はまた、難民認定を受けられない在ウクライナの外国人に関して、シリアやアフガニスタンなどの国籍を持つ者に関しては「一時的な保護の対象とする」とコメントしています。

※フランス在住者でウクライナ難民への援助を行いたい方は、《宿泊場所の提供、募金、ウクライナ語の翻訳や通訳、支援物資の提供》などが可能です。

詳しくは仏政府サイトにて:Je m’engage pour l’Ukraine

執筆:マダム・カトウ

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