種類たくさん!フランスで小麦粉を迷わず楽しく選べるマニュアル

2019.11.01

スーパの棚の前で驚く女性

ある日、小麦粉を求めてスーパーへ。しかし!どれがどれだか分からず、種類も豊富すぎてプチパニック。棚の前でしばらく立ちつくした私です。皆様はそんなことにならぬよう、今回は小麦粉のお買い物マニュアルを作りました。ぜひ参考にしてみてください。

 

まずは基本。フランス語でどう言うの?

小麦粉はフランス語で farine de blé といいます。

小麦粉と間違えやすいものでは、パン粉は chapelure (de pain)。片栗粉は fécule de pomme de terre で、ジャガイモのデンプンという意味。fécule de maïs はコーンスターチで、とうもろこしのデンプンという意味です。

 

難易度高い?必ず迷うナゾの数字の意味

小麦粉が farine de blé と分かっていても、いざスーパーに行くとどれを買えば良いか迷ってしまうでしょう。なぜかというと…

このように「T55」に「Type65」と謎の数字が書かれていますね。どの商品にもパッケージには必ずこのような「Type + 数字」の表記があるのです。Type は製品にもよりますが45から150まであるから驚き! この数字によって何が変わるのでしょうか? 日本の小麦粉と比べながらみていきましょう。

日本の小麦粉の分類方法

そもそも日本とフランスでは小麦粉の分類方法が異なることをご存知でしたか? 日本ではタンパク質の量によって「薄力粉」「中力粉」「強力粉」に分類されます。

グルテン  タンパク質 粒(色) 粘り 適した料理
薄力粉 少ない

多い
少ない

多い
細(白)

粗(茶)
弱い

強い
菓子、菓子パン、天ぷら
中力粉 うどん
強力粉 ピザ、パン

 

フランスの小麦粉の分類方法

一方フランスでは、小麦に含まれる「灰分(かいぶん)量」により分類されます。灰分量とは簡単にいうとミネラル分のこと。これが多いほど Type の数字が大きくなり、少ないほど小さくなります。この量によって、出来上がったお菓子やパンの見た目・食感・味などに変化が出てきます。そして「Type + 数字」を見れば、どのような小麦粉なのか、その type(種類)がわかるようになっているのです。

分類方法が異なるため日本のものと厳密に比較することは難しいですが、フランスのスーパーによく置かれている主な小麦粉のタイプを比較してみると、おおよそ以下のようになっています。

 Type  日本の小麦粉
 主な料理
45 薄力粉 菓子・菓子パン
55 中力粉 食パン・パイ生地・ピザ生地
65 準強力粉 バゲット・ピザ生地
80 強力粉 パン
110 (半粒粉の)パン
150 全粒粉 パン

 

灰分量が多い(=Type の数字が大きい)ほど固いパンなどを作るのに適し、逆に灰分量が少ない(=Type の数字が小さい)ほど、お菓子や食パンなどに適していることがわかります。実際 Type 45 は色も白く、日本でお菓子作りなどに使う薄力粉に非常に近いと感じました。

フランスの家庭でもType 4555 あたりを常備していることが多く、Type 45 〜 65 であればお菓子にもパンにもオールマイティーに使えると重宝されているようです。

Type150にもなると、完全に全粒粉。私には難易度が高すぎるかな…。

 

ほかにもいろいろな種類が

フランスのスーパーには驚くほど多様な商品が並んでいます! 例えば…

Pain aux graines sans gluten グルテンフリーのパンが作れるもの(写真左)
Ma Brioche maison(商品名) ブリオッシュ専用の小麦粉(左から2番目)
Farine de sarrasin フランスで伝統的に食べられているガレット作りに使えるそば粉(右から2番目)
Fluide クレープ作りやソース作りに適した、ダマになりにくい小麦粉(右)

その他、BIO(オーガニック)商品も多数揃っています。こういった製品なら Type の表記を気にせずとも最適なものを選ぶことができますよね。

 

私が使っているのはこちら

私が使っているのは、有名小麦粉メーカー Francine の T45(写真左)。こちらの商品はどのお店でも目にします。パリでよく知られるスーパー Monoprix、Carrefour、Franprix にもありました! 1kg入ってお値段も1ユーロ前後とお求めやすいですね。

パン粉と片栗粉は?

Tipiak シリーズのパン粉(中央)と片栗粉(右)は、箱のパッケージで使いやすく収納も簡単。お値段も手頃で私はこれを購入しています。

片栗粉のほうには Remplace la farine の文字が。小麦粉の代わりに使うこともできる商品として売られていて、裏にはケーキのレシピが書かれています。

他にもシリーズがあるようですので、お好きなものをお試しあれ!

 

ハマると楽しい小麦粉選び!

さあ、スーパーに行ってお気に入りの小麦粉やパン粉を選んでみたくなってきたのでは? 皆さんもこのマニュアルを片手に、安心してお買い物を楽しんでください。

小麦粉に関しては、フランス製品は非常に質が良いと言われています。適した製品を使えばお菓子もパン作りも失敗知らずなんだとか! その言葉を信じて、私も皆さんと共にチャレンジしてみようと思います♫

執筆 YONNE

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