フランスのスーパーでは、赤いラベルがついた商品をよく見かけます。これは通称ラベルルージュ(Label Rouge)と呼ばれ、その商品が通常販売されている他の類似製品の生産条件よりも高いレベルの品質であることを示す、フランスの国家指標です。国立原産地品質研究所(INAO)という団体が認定し、保証しています。
このラベルは、肉類、魚類、乳製品、果物、野菜、卵、その他プロヴァンスハーブやはちみつなど、多くの分野に及びます。2018年時点では、434の製品でラベルルージュが認定されています。
昔ながらの農場生産に戻ろう!
ラベルルージュの歴史は、1960年の農業ラベル(Label Agricole)が始まりです。同年、「農業の方向性に関する法律」により、このラベルが誕生しました。背景には、「農業の工業化が進む中、伝統を重んじて消費者に品質を保証できるような飼育方法を開発したい」という養鶏家グループの想いがありました。
それから5年後の1965年、ラベルルージュの承認の枠組みが定められ、ランデス産の鶏肉やロートレックのピンクガーリックなどでラベルが取得されました。そして1983年、ラベルルージュのロゴが導入されました。
ラベル取得のための5大法則
生産者がラベルを取得するためには、生産条件や管理方法など多くの基準をクリアしなければなりません。中でも以下は、農家産家禽の5大法則とされています。
1.評判の高い血統を選択する。
2.放し飼いのためのスペース。
3.75%以上の穀類をベースにした飼料。
4.最低81日以上の飼育日数。
5.管理された衛生条件のもとで鮮度を保証。
野菜や果物は、農家産家禽と同じように厳しい認定の試験に合格したものだけが取得することができます。
これだけ厳しい基準をクリアしているからこそ、消費者の私たちは「安全で品質に優れている」とラベルを見て判断することができるのですね。
食べた感想は?
筆者はフランス滞在中、ラベルルージュの鶏肉や卵を購入しました。通常の商品よりも値段が高い分、「大切に育てられたのだろうな」と感じるくらい肉厚、そして濃厚で美味しかったです。現地では、「肉は必ずラベルルージュ品を買う」という人もいました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。値段は多少高いですが、品質や安全性は保証されているので、安心して購入することができます。モノプリ(Monoprix)、フランプリ(Franprix)、カルフール(Carrefour)、カジノ(Casino)などの一般的なスーパーに並んでいるので、行かれたらラベルルージュをチェックしてみてください。食への関心が高まるかもしれませんよ。
執筆 ゆり