新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出規制が5月中旬から段階的に解除され、フランスは少しずつ日常生活を取り戻しつつあります。新型コロナウイルス関連のニュースでは、普段あまり聞かない言葉や表現が多く登場しました。
今回はニュースをよりよく理解するためにも、新型コロナウイルスに関連したフランス語をご紹介します。
コロナウイルスは男性名詞
コロナウイルスはフランス語ではle coronavirusと書きます。ウイルスle virusと同様に男性名詞です。
またフランスでは2019年型の新型コロナウイルスの名称であるla COVID-19と呼ぶ場合もあります。la COVID-19は女性名詞で、le coronavirusは男性名詞なので注意が必要です。
この件に関しては、Rémy先生がビデオで詳しく説明していますのでこちらもご覧ください。
※アカデミーフランセーズが女性名詞と決定しましたが、現在でも多くの報道機関などではle COVID-19と男性名詞として使われている場合があります。
les gestes barrièresって具体的にはどんなことをすれば良いの?
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、フランス政府は市民に les gestes barrièresを守るように推奨しました。les gestes barrièresとは感染防止策の総称です。地下鉄の駅の広告やテレビのコマーシャル、お店や建物の入り口のポスターなど、いたるところで les gestes barrièresの喚起を目にします。
具体的にフランス政府がどんなことに気をつけるように推奨しているかというと、
- Lavez-vous très régulièrement les mains.
手をこまめに洗いましょう。 - Toussez ou éternuez dans votre coude ou dans un mouchoir.
咳やくしゃみをするときは口を肘で覆うか、ティッシュで覆うようにしましょう。 - Utilisez un mouchoir à usage unique et jetez-le.
ティッシュは一回限りの使用とし、捨てましょう。 - Saluez sans se serrer la main, évitez les embrassades.
握手をせずに挨拶をし、ハグやビズは避けましょう。
手洗い励行や咳エチケットは日本と同様ですね。
ティッシュの使用に関しては、フランスのティッシュは日本のものと比べると厚手なためか、一度使用したティッシュを折りたたんでポケットにしまっておいて、比較的まだ綺麗な部分をもう一度使うという、日本人には信じがたい行為をするフランス人がとても多かったための喚起と思われます。
また、フランス人の挨拶は一般的に握手、友人や家族など近しい間柄ならビズ(お互いの頬をつける挨拶)が基本。新型コロナウイルスが猛威をふるうようになってからはこれらを避けるように推奨され、何もしないのも間が悪いのか、肘同士をくっつけたりしている姿をよく見かけます。
他にも知っておきたいキーワード
la distanciation sociale 社会的距離 / la distanciation physique 身体的距離
国によって長さが違う社会的距離、身体的距離ですが、フランスでは1メートルとされています。
オーストラリアの1.5メートル、イギリスの2メートルと比べるとだいぶ近いですね。
le confinement ロックダウン、都市封鎖
新型コロナウイルス感染拡大予防のための外出禁止令、ロックダウンを指します。
もともとle confinementは「隔離・閉じ込めること」という意味です。尚、禁止令の解除はle déconfinementです。
le télétravail テレワーク、在宅勤務
世界の他の国と同様にフランスでも、新型コロナウイルス感染拡大を受けてテレワークが推奨されました。ロックダウン期間終了後も、オフィス内の人口密度、オフィスビルのエレベーターの人数制限など様々な規制があるため、まだ以前のように勤務することは難しく、テレワークを続けている人が多くいます。
まとめ
新型コロナウイルスの蔓延以降、よく耳にするようになったフランス語をご紹介しました。どうしても新型コロナウイルス関連の話題が多くなってしまう今、知っておくと役立つことと思います。1日も早くコロナウイルスの心配がない暮らしに戻れるといいですね。
執筆:YUBO