7月14日(火)、フランス夏の風物詩ともいえる軍事パレード「パリ祭」が本日行われました。新型コロナウイルス感染を避けるため規模は大幅に縮小され、3月からのコロナ禍で奮闘する医療関係者への感謝の意を表する内容になっています。また、シャルル・ド・ゴール(Charles de Gaulle)没後50年でもあることから、オマージュが行われました。
戦後初、シャンゼリゼ大通りのパレードなし
例年、シャンゼリゼ大通りで、戦車やトラックなどを導入した大掛かりな軍事パレード行われる「パリ祭」ですが、今年はコンコルド広場に集結して行われました。また、昨年4300人だった参加者は2000人に減らし、通常2時間のところを約1時間と、本日の式典は例年の半分に規模が縮小されました。
医療関係者を多数招待
また、例年シャンゼリゼ大通りの沿道に多数集まっていた一般の参観者の姿はなく、式典参加者と戦没者遺族など招待客のみが参加しています。今年の招待客2500人の中には、コロナ禍で奮闘している看護師などの医療関係者、およびロックダウン中も感染リスクをおいながら働き続けた清掃員、スーパーのレジ係といったキーワーカーなど1400人が含まれています。
大統領、異例の「左岸から登場」
10時45分、マクロン大統領は軍用車に起立して登場し、左岸のコンコルド橋を渡りコンコルド広場に到着しました。橋の両脇には例年ならパレードに参加する60のフランス共和国親衛隊の騎兵隊が、微動だにせず立って大統領を護衛しています。
広場に到着すると、大統領は整列した軍人達の前を徒歩で周り、式典が開始されました。
ド・ゴール大佐にオマージュ
第二次大戦のフランス解放の英雄シャルル・ド・ゴールは、今年で生誕130年、没後50年を迎えました。また、1940年6月18日、ロンドンのラジオBBCで行った「自由フランス」の呼びかけからちょうど80年が経った事を記念し、今年のパリ祭でオマージが行われました。
恒例のフランス空軍アクロバットチーム、パリの空に
全体的に大幅縮小の今年のパレードですが、恒例のパトルイユ・ド・フランス(Patrouille de France)の軍用機の空のパレードはほぼ例年並みの規模で行われました。
70機の空軍機、うち2機のイギリス空軍機、1機のドイツ空軍機が参加予定でしたが、強風のため一部のフライトはキャンセルされています。
10時53分の大統領の着席を合図にパトルイユ・ド・フランスは離陸し、11時10分頃コンコルド広場上空に現れました。今年は医療関係者に敬意を表し、赤白青のフランスの国旗の色を表す煙のうち、白い煙を多く出すという特別な配慮もされています。
コロナ禍で協力のドイツ、スイスからも参加
航空パレードの最後に、医療搬送に投入されたヘリコプター20機が登場しました。
フランスでの新型コロナウイルス感染拡大がピークに達した今年3月〜4月の間、軍の医療関係者の協力は不可欠となり、陸軍は野営仮説病院を運営し、フランス空軍は感染者の搬送で活躍しています。
各部隊の行進では、今回はフランス人感染者を受け入れてくれたドイツ、ルクセンブルグ、オーストリア、スイスを代表する軍人達を先頭に配備することで感謝の意を表しています。
式典の最後には、医師、看護師などの医療関係者を交えてフランスの国旗を広げ、参加者の長い拍手で1時間15分のセレモニーは終了しました。
式典終了後、マクロン大統領は早速マスクを着用し、招待客との談話を開始しています。
執筆:マダム・カトウ