フランス政府、上場企業役員の巨額年金は年俸の30%まで

2019.04.05
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4月4日(木)、ブルーノ・ルメール(Bruno Le Maire)経済・財務大臣はBFM-TVおよびRMCのインタビューに答え、一部の企業が役員に支給する特別追加企業年金額の上限を、年俸の30%までに制限する意向を表明しました。

企業に良識的な判断は通用しない-巨額退職金阻止-法整備を検討

ルメール大臣は「現状では年俸の45%以内-という政府とフランス最高経営者組合であるMEDEF(Mouvement des entreprises de France:フランス企業運動)との間に結ばれた、いわゆる「紳士協定」のみが存在しているが、法的な拘束力はない。企業に良識のある判断を求めたが、通用しないようだ」と遺憾の意を表明しました。

また同大臣は、最近の企業幹部のゴールデン・パラシュートと呼ばれる巨額の退職金や特別企業年金がメディアに公表されたことを受け、「時代錯誤の資本主義」で「非常識極まりない」と批判しました。

フランスでは大企業の最高責任者の巨額退職金が再三問題視されており、今回の発表ではパクト法(loi Pacte :plan d’action pour la croissance et la transformation des entreprises)と呼ばれる、企業活性および進化法案に組み込む方針が明らかになりました。

エアバスCEOトム・エンダースのゴールデンパラシュート、推定総額3680万ユーロ

投資コンサル会社プロクサンベスト(PROXINVEST)の概算によると、4月10日に退職するエアバス社のドイツ人CEO(最高経営責任者)トム・エンダース(Tom Enders)の退職金および特別企業年金額は、総額3680万ユーロ(約46億円)にも及ぶとルモンド紙が報道し、批判が巻き起こっています。

フランスの法律では、企業の最高責任者の退職金は株主総会での投票にかけられることが義務付けられていますが、フランス政府はエアバスの株を11%しか所有しておらず、またエアバス社にはオランダ法が適用されるためにこれを阻止することができません。フランスの上場企業もグローバル企業が多く、フランス国内におけるフランス法の影響力も限定的です。

ルメール大臣は「エアバスのイメージダウンにつながる」などと批判し、「企業役員報酬は株主総会で決められるべきだ。このルールを欧州全体で適用すべく欧州議会に提案していく」と、発言しています。

 

格差を訴える黄色いジャケット運動の中、上場企業トップの年棒は上昇の一途

プロクサンベスト社によると、フランスの上場企業上位40社(CAC40)の経営者の平均年棒は、金融危機だった2009年時点で約310万ユーロ(約3億8900万円)と一旦下がったものの、その後上昇を続け、2017年には510万ユーロ(約6億4000万円)に達しています。これはフランス最低賃金の約257倍にも及び、2017年もすでに14%上昇しています。

昨年11月に始まり現在も続く黄色いジャケット運動が格差を訴える中、企業の倫理感の欠如を批判する声がさらに高まりそうです。

1ユーロ=125.44円

執筆:マダム・カトウ

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