7月17日(金)、商店の中など「閉じた空間」における公共の場でのマスク着用が20日(月)から義務化されます。当初8月1日からの予定でしたが、フランス各地でクラスターが発生していることを受け、感染拡大第二波を警戒して日程が前倒しされました。
各地でクラスター発生、商店内など屋内でマスク着用義務
今月3日にフランスの新首相に就任したばかりのジャン・カステックス(Jean Castex)氏は、昨日のフランス元老院、セナ(Sénat)での演説に際し、来週7月20日よりマスクの着用を義務化すると発表しました。
フランスにおける新型コロナウイルスの新規感染者数は、ロックダウン解除の5月11日以降減少を続けてきましたが、2ヶ月が経過した現在、各地でクラスターが発生し上昇の兆しを見せています。
パリの西280キロにあるマイエンヌ県(Mayenne)では、7月10日の時点で住民10万人あたりの新規感染者数が30.02人だったものの、1週間後の16日には58.09人に増え、警戒レベル50を超えています。そのためマイエンヌ県では、すでに商店などでのマスク着用が義務になっています。また住民30万人を対象にした大量検査を実施中です。
パリ市内の病院、1週間に一人が1日一人に
パリ市内のビシャ総合病院(l’hôpital Bichat)の感染症科責任者ヤズダン・ヤズダンパナ(Yazdan Yazdanpanah)氏は、「ロックダウン解除直後からしばらくは1週間に一人だった新規の患者が、今週から一日一人に増えた」と語っています。
パリおよびパリ郊外、イル=ド=フランス地域圏(Ile-de-France)では現在も27のクラスターが活発であり、うち8つはパリ市内で発生しています。
7月15日の発表によると、この地域における前日の14日の死者は6人、入院患者は5人増えて3226人、さらにが集中治療室の患者は3人増え、合計238人が今も治療を受けています。
ちなみに、パリ市内では過去1週間で住民1万人に対し11.3人の割合で感染者が増えています。
夏のソルド開催中、街中弛緩モード
例年6月後半から全国一斉に行われる夏のソルド(バーゲンセール)ですが、今年はロックダウン解除直後ということで、3週間遅れの7月15日からスタートし、8月11日まで開催されます。
すでにバカンスシーズンに突入したフランスですが、パリ中心部も買い物客などで日中の人混みが増え、カフェやレストランのテラスには人が溢れています。
ロックダウン解除直後に比べ、最近はマスクを着用して歩いている人も随分減り、着用義務がある公共交通機関の中でもマスクをしていない乗客がいたり、レストラン内にもマスクを着用していないウエイターがいるなど、ルールが守られていないようです。
国全体に気の緩みが蔓延していることも、今回のマスク着用義務の日程が早まった原因のひとつと考えられます。
執筆:マダム・カトウ