フランス 高くつく3度目のロックダウン 1ヶ月あたり12億ユーロ追加

2021.03.23

フランス 高くつくロックダウン

3月23日(火)、パリ及び近郊のイル=ド=フランス地域圏(Île-de-France)を含む16県に再び1ヶ月のロックダウンが導入されていますが、フランスのGDPの約40%に当たるこれらの地域の商店閉鎖により国にかかる費用は1ヶ月あたり12億ユーロ(約1,547億円/1ユーロ=約129円)にも上ります。

 

1ヶ月72億ユーロのコロナ支援

フランス政府は、コロナ感染拡大抑止の為に営業を禁止されている飲食店、スポーツジム、美術館、映画館、イベント業者へ支援金を支給しています。

政府の命令で閉店を余儀なくされた商店や中小企業、個人事業主には、2019年の同月売り上げの20%を上限に支援金が支払われます。休業を強いられた社員の給与の約7割を国が負担、さらに今後大企業に関しても、固定経費に対する支援が新たに予定されています。

これに加え、コロナ禍以前の2019年と比較して大幅な売上減(業種により50%〜80%以上)となった多くの企業や個人事業主に対しても、毎月の申告額に応じ支援金が支給されており、総費用は月々合計60億ユーロ(約7,738億円)にも上ります。

さらに先週末から導入された16県のロックダウンで閉店を余儀無くされた商店への支援金は、1ヶ月につき12億ユーロと見積もられており、合わせて72億ユーロ(約9,286億円)もの費用が毎月国庫に重くのしかかる事になります。

 

倒産防止の救済策、コントロール不在

当初、これらの支援は体力のない零細企業、中小企業などの個人オーナーの救済を目的に導入されていましたが、コロナ禍が長引くにつれ、特に打撃を受けたレストラン業、ホテル業、旅行業、イベント業においては、大企業の倒産を避けるといった業界全体の救済に発展しています。

コロナ支援金や社員の休業補償に加え、政府保証の無利子貸付(prêts garantis par l’Etat :PGE)(返済は2022年より)、税金や社会保障費用の支払い期限延長、及び地方自治体からの助成金等、企業向けに様々な支援が行われています。

フランス会計監査院(Cour des comptes)は、支援により多くの企業が倒産を免れている事を評価しつつも、支給が「企業側の自己申告した数値に基づいてほぼ自動的に行われ、コントロール不在」である事から、「コロナ禍で受けた被害以上の支援」を助長すると警鐘をならしています。

 

政府保証低利子貸付の返済4月から、4〜7%が返済不能?

昨年導入された政府保証の低利子貸付額は、2020年だけで1290億ユーロ(約16兆6,288億円)で、借り入れた企業63万社の内89%は年商200万ユーロ(約2億5800万円)に満たない零細企業でした。

資金繰りが苦しい商店主などを対象し、売り上げの25%を上限に政府が90%を保証するというこの貸付は、予想以上の成功を納めました。

借り入れから1年間は返済が免除されているこの貸付金の返済がいよいよこの4月から始まりますが、フランス公的投資銀行(Bpifrance)のニコラ・デュフールク(Nicolas Dufourcq)氏によると、予想以上に長引いたコロナ禍の影響で「(当然の事ながら)総額の4〜7%は返済されない」と見込んでいます。

執筆:マダム・カトウ

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