今回はフランス西海岸サン・マロ湾に浮かぶ修道院モン・サン・ミッシェルのご紹介です。ユネスコ世界遺産として有名すぎるぐらい有名な場所ですね。では、なぜこれほど観光名所として人気があるのでしょうか?その魅力をお話ししていいきましょう!
モン・サン・ミッシェルが建てられた理由
「ただの小さな半島に建ってる聖堂でしょ?」・・・いやいや、そこに聖堂が建てられた経緯がまずスゴイのです。各国揃って観光ツアー名所にしているのかわかりました!
モン・サン・ミッシェル隣町アヴランシュAvrancheに住むオーベールAuber司教が夜な夜な不思議な夢を見たことからこの話は始まります。大天使サン・ミッシェルは司教オーベールの枕元に立ち言いました。
“トンブ山Mont. tombe(現在のモン・サン・ミッシェル)に大聖堂を作るがよい。”
最初はただの夢だろうと相手にもしなかった司教。ところが3度目に大天使が現れた時には・・・なんと!司教の頭に指を突っ込み穴を開けてしまったと言うじゃないですか!
「これはたまらない!」と早速、司教はモン・サン・ミッシェル建設に取り掛かったのでした。・・・しかし、頭に穴開けて生きていられるのしょうか?天使のフシギな力なのでしょうか・・・。
司教の夢は事実か逸話か?
そしてコレが逸話ではなく実話だったことを証明すべく、司教の穴が開いた頭蓋骨はアヴランシュにある教会に展示されているのです!大天使サン・ミッシェルが司教オーベールの頭に指をさしている様子は壁画にもなっています!
あとからつじつまあわせで頭蓋骨に銃弾や棒か何かで穴を開けたというのなら穴周辺にヒビでも入りそうなものですが、本当に指で空けたような形に穴が開いているところがまたオソロシイのです。
2つの建築様式も見どころ
一番高い塔に輝く大天使サン・ミッシェル。
中庭を取り囲む支柱を飾る彫刻。同様の柄は一つも無い。
この聖堂の完成には大金が必要だったため、一気にチャチャッと建設されたのではなく、お金がたまったら建設、無くなったらお休みという具合に何世紀にもわたって建設されたのです。
よって、初期の方は古代ロマネスク建築、後期はゴシック建築になっているそうです。「統一好きなフランス人なのに珍しい!」と変なところで感心してしまいました。全景で言えば向かって左側の丸まってる感じがロマネスク、右のとんがってる感じがゴシックとのこと。
最後に
長い長い歴史の中でモン・サン・ミッシェルは牢獄としても利用されていた時期があるのです。貧しい時代、好んでつまらない悪事を犯し、自ら進んで囚人となり食事と寝床を確保したいという方も多かったそうです。いつの時代も生きるって大変ですね。
執筆 Ayako