2日(金)、ルーヴル美術館(Le Musée du Louvre)は、今年の混雑状況を受けて、混雑緩和の為に事前にオンラインで予約を取るように呼び掛けました。また、今年中にも事前予約を義務化する方針を表明し、早ければ今年の10月にも事前予約の義務化が開始される予定であることを明らかにしました。
世界で最も来場者の多い美術館
ルーヴル美術館は、パリ1区にある国立美術館(博物館)で、1793年に開館しました。世界最大級の美術館で、ユネスコの世界遺産に「パリのセーヌ河岸(Paris, rives de la Seine)」としてセーヌ川やシテ島(Île de la Cité)、ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris)などと共に包括登録されています。
展示スペースの総面積は6万600平方メートルを誇り、収蔵品の数は38万点以上、美術品の常設展示だけでも3万5000点以上あります。
一日およそ30,000人が、そして年間800万人以上が訪れる世界で最も来場者数の多い美術館で、昨年の2018年は、年間来場者数が1000万人を突破したことで大きな話題となりました。
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猛暑、ノートルダム火災など複数要因が重なり来館者が急増
かねてより混雑が常態化していて問題視されていましたが、今年に入り、4月に発生したノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris)の大火災の影響で、観光客がルーヴル美術館へ流れました。さらに、度重なる猛暑のため、冷房の効いている美術館内へ観光客が避難するなどして、来場者が急増し、混雑が激化しました。
モナ・リザの移設も混乱の要因に
また、混雑による混乱に追い打ちをかけたのが、ルーヴル美術館で最も人気の高い、レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)の「モナ・リザ(La Joconde)」が、改修工事の為、通常展示されている美術館南(セーヌ川沿い)のドゥノン翼(Aile Denon)の「国家の間」から、美術館北側のリシュリュー翼(Aile Richelieu)に移動されたことです。
現在展示されているリシュリュー翼の展示室は、国家の間に比べて手狭なため、より混雑が悪化しました。
入場制限
先月7月31日(水)には来場者数が激増したため、オンラインで事前に予約していた人を除き、日中の入場を制限する措置に踏み切りました。この入場制限措置の際、多くの来場希望者が入館することができなかったため、情報発信不足を指摘する声が聞かれました。
オンライン予約義務化
一連の流れを受け、ルーヴル美術館側は来場者に対して、来場の際は混雑緩和のやチケット購入のための長蛇の列を回避するため、事前のオンラインでの予約を呼び掛けています。
また、今後ルーヴル美術館は、全ての来場者に対して事前のオンライン予約を義務化する方針を明らかにしました。早ければ、今年の10月か11月から完全予約制が適用される予定です。ルーヴル美術館は、このオンライン予約義務化に関しては、「2020年初頭に行う予定だったものを、少し前倒ししたものだ」と述べています。
多くの来場者が予測されるヴァカンスシーズンは、事前予約の義務化前であっても入場制限がかかる場合があります。ルーヴル美術館を訪れる際は、事前にオンラインで予約されることをお勧めします。
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執筆:Daisuke