5日(土)、パリのセーヌ川(La Seine)沿いにあるルーブル美術館(Musée du Louvre)が、2018年の入館者数が前の年に比べて25パーセント増のおよそ1020万人に達し、過去最高の入館者数を記録した、と発表しました。
世界で最も入館者数の多い美術館
ルーブル美術館は、パリ1区にある国立美術館(博物館)で、1793年に開館しました。世界最大級の美術館で、ユネスコの世界遺産に「パリのセーヌ河岸(Paris, rives de la Seine)」としてセーヌ川やシテ島(Île de la Cité)、ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris)などと共に包括登録されています。
展示スペースの総面積は6万600平方メートルを誇り、収蔵品の数は38万点以上、美術品の常設展示だけでも3万5000点以上あります。年間入館者数の平均がおよそ800万人と、世界で最も入館者数の多い美術館で、美術ファンだけでなく、世界中から訪れる多くの観光客を魅了し続けています。
世界的に有名な美術品の数々
ルーブル美術館は、モナリザ(伊:La Gioconda/仏:La Joconde)や、ミロのヴィーナス(ギリシャ語:Αφροδίτη της Μήλου/仏:Vénus de Milo)、サモトラケのニケ(ギリシア語:Νίκη της Σαμοθράκης/仏:Victoire de Samothrace)を始めとする、世界的に有名な美術作品が数多く収蔵されている事でも有名です。
ルーブル美術館公式YouTubeアカウントより
美術館として史上初の1000万人超え
ルーブル美術館のジャン=リュック・マルティネス(Jean-Luc Martinez)館長は4日、現地メディアに対して「2018年にルーブル美術館は、美術館としては史上初となる(年間入館者数が)1000万人を突破した」と発表しました。
2018年の入館者数は、2017年の810万人を25パーセント上回るおよそ1020万人に達し、過去最高のかつてない入館者数を記録しました。これまでの最高記録は2012年に樹立した970万人でしたが、今回の記録で過去最高が大幅に更新されました。
また、2017年の美術館(博物館)別入館者数の世界トップ3は、1位がルーブル美術館の810万人、2位が中国の中国国家博物館の800万人、3位がニューヨークのメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art、通称:The Met)の730万人で、世界の名だたる美術館が肩を並べています。
時代を映す入館者の移り変わり
相次ぐテロの影響で入館者数は30パーセント減
マルティネス館長によると、度重なるテロの影響により、ここ数年の入館者数は平年を30パーセントほど下回っていましたが、パリの国際的な観光客誘致への取り組みや、2年前より行っていた工事によってより多くの来場者を迎え入れられるようになったことが入場者数回復の大きな理由だということです。
大頭する中国人観光客
全入館者数の内、およそ75パーセントが外国人観光客で、その中で最も多いのがアメリカ人で150万人、そして2番目に多いのが中国からの観光客で100万人となっています。
5年前の段階では、中国人観光客は外国人入館者数の5番目にも入っていませんでしたが、ここ数年で急増してきています。
多い学生の入館者数
また、フランス人入館者数(およそ250万人)の内、およそ22パーセントにあたる56万5000人が学生で、この結果についてマルティネス館長は「テロの後、学校が閉鎖された影響で(ルーブルへ来る人が)増えたのではないか」と話しています。
黄色いベスト運動は影響せず
マルティネス館長によると、毎週末繰り広げられている黄色いベスト運動(La Manifestation de Gilets Jaunes)は、12月8日(土)に閉館したことを除けば、ルーブル美術館の入館者数への影響は出ていないということです。
人々を魅了し続けるルーブル美術館、今年も多くの人で賑わうことでしょう。
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執筆:Daisuke