フランス パリ及び16県で3回目のロックダウン 3月19日より1ヶ月

2021.03.19

3月18日(金)、フランスの1日の新規感染者は35,000人、現在の入院患者は4,626人、死者91,000人と再び数値が上昇し、感染拡大に歯止めがかかりません。そのためカステックス(Jean Castex)首相は17日夕方の記者会見で、3月19日よりフランス国内16県でロックダウンを導入すると発表しました。

 

フランス感染拡大第3波、4人中3人が変異種

パリ及び近郊のイル=ド=フランス地域圏(Île-de-France)の住民10万人当たりの感染者は446人と、政府がロックダウンの目安としている400人を大幅に超え、現在1200人が集中治療室に入院しています。

ロックダウンの対象となる県は、フランス全国96県中パリ及びイル=ド=フランス地域圏の8県、その北部に隣接する地域、オ=ドゥ=フランス(Hauts-de-France)地方5県、セーヌ=マリティーム(Seine-Maritime)県、ウール(Eure)県、及びニース(Nice)市のある南仏アルプ=マリティーム(Alpes-Maritimes)県の計16県となります。

今回のロックダウン対象になる基準は、10万人中の感染者が400人を超えるかそれに近い数値、もしくは集中治療室がほぼ満室の状態など、医療機関の受け入れがほぼパンク状態であることです。

首相の発表によると、現在新規感染者の4人に3人が変異種で、入院患者が若年化しており、患者の入院期間が以前より長くなってきていることが主な懸念材料となっています。

 

商店閉鎖も外出はオーケー

今からちょうど1年前、最初のロックダウンが導入されましたが、当時と異なる点は「外出時間制限がない」ことです。

パリ市内など特に人口密度が高い地域は住居が狭く、すでに導入されている夜間外出禁止で学生や若者からの不満が募っていました。屋外での感染確率は非常に低いことからも、1年前には1日あたり1時間しか許可されていなかった外出は、今回時間制限なしとなりました。但し、友人宅や外での集まりは禁止されています。

今回も外出の際は自己申告による「外出証明書」の記入が必要で、行動制限は自宅から10km以内、地方をまたがる移動は「通院、必要不可欠な事情」と「仕事」以外は禁止されています。

「生活必需品」の定義が拡大、美容院も営業可

生活必需品を販売する商店と薬局以外は閉店ですが、前回も問題になった本屋やCD販売店などは今回営業を許可されています。

政府スポークスマン、ガブリエル・アタル(Gabriel Attal)は今朝出演したラジオ番組で「美容院も感染対策を厳重にとった上で営業可能」、さらに近日中に「営業可能な全ての業種を法令で発表する」と述べています。

 

テレワーク週4日以上に、社食が問題視

「飲食」がコロナ感染を広める要因とされ飲食店は未だに閉まったままですが、企業内感染の原因として会社の同僚との飲食が問題視されています。

レストランで食事をせずとも、テイクアウトのランチを会社の休憩室などで複数人で飲食することが感染に繋がるからです。

気心知れた同僚との間ということもあり、食後にマスクをつけるといった対策が徹底されておらず、社員食堂でも距離を置いて座るルールが遵守されていないことも多く、政府は今回の発表でも再度テレワークの強化を呼びかけています。

学校は閉鎖せず

小中学校は平常通り開校で、高校については対象地域の全校に「対面とオンラインのハイブリッド」を義務付けると発表されました。すでに高校の7割はこの形式をとっていますが、私立高や進学準備校の多くは100%対面授業を続けており、「教育の格差」を生み出していると批判されていました。

 

夜間外出禁止、3月27日から19時に

フランスおよび欧州が夏時間に入る27日より、夜間外出禁止が現在の18時から19時開始に変更されます。これにより、フランス国民は1時間長く外出できることになります。

政府は、屋外の感染リスクの低さや日照時間が長くなることなどから、散歩や気晴らし、屋外でのスポーツに時間を使えるよう配慮したようです。

執筆:マダム・カトウ

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