フランスの感染症予防策 les gestes barrières

2021.07.13

 gestes barrières

新型コロナウィルスが流行する前と今では、生活習慣が大きく変化したのは、フランスも日本と同じです。以前はフランスでマスクをしていると、感染症の病人だと思われて奇異な目で見られることが多かったのですが、今となってはフランスでもマスクが必須の場所や条件が規定され、フランス人もそのルールに従って生活するようになりました。

 

Les  gestes barrières の意味

感染症予防策のことをフランス語では les gestes barrières と言います。

gestes(ふるまい)+ barrières (バリア、柵)とは面白い表現ですね。

どんな「ふるまい」が感染症の「バリア」になるのか、フランス保健省のサイトの説明を見てみましょう。

 

おなじみの感染予防策

世界共通と思われる、私たちに馴染み深い予防策が取り入れられている例をご紹介します。

Aérer les pièces le plus souvent possible.
できる限りひんぱんに部屋の換気をする。

Respecter une distance d’au moins deux mètres avec les autres.
人との距離は2m以上保つ。

Porter un masque(中略)quand la distance de deux mètres ne peut pas être respectée.
2m以上の距離が保てない時はマスクをする。

Limiter au maximum ses contacts sociaux.
人との接触は最小限にとどめる。

Se laver régulièrement les mains ou utiliser une solution hydro-alcoolique.
定期的に手を洗う、もしくはアルコール消毒液を使用する。

Eviter de se toucher le visage.
手で顔を触らないようにする。

Utiliser les outils numériques (TousAntiCovid).
接触確認アプリ(TousAntiCovid)などを利用する。

 

フランスらしい感染予防策

そのほかに、日本ではあまり聞かないフランスらしい策もいくつかありました。

Tousser ou éternuer dans son coude ou dans un mouchoir.
咳やくしゃみをするときは、肘の窪みもしくはハンカチ(ティッシュ)で口をおおう。

mouchoirはハンカチとティッシュ両方の意味があります。肘の窪みで口をおおうのは斬新ですが、鼻から口まで広範囲をおおえそうです。

Se moucher dans un mouchoir à usage unique.
鼻をかんだティッシュは再利用しない。(使うのは一回きり)

大学の講義中に見た、ヨレヨレのティッシュをポケットから出して使用し、さりげなくポケットにしまった教授のしぐさを思い出しました。

Saluer sans serrer la main et arrêter les embrassades.
あいさつは握手やキス(抱擁)無しでする。

これぞフランス、という注意だと思います。ふだんは円滑にビジネスを進めたければ握手が必須ですし、知り合いにBises(頬へのキス)のあいさつをしなければ「機嫌が悪いのかしら」と思われてしまいます。

 

まとめ

感染症予防策にもお国柄が出ていますね。また、フランス保健省の感染症対策のページは絵やYouTubeを使って誰にでも分かりやすく説明されていて好感が持てました。熱心に説明を繰り返すオリヴィエ・ヴェラン保健相のイメージと重なりました。

2021年7月12日のスピーチで、マクロン大統領は感染を防ぐために、今までの「les gestes barrièresとPCR検査」を積極的にしていく方法から、「les gestes barrièresを守りつつなるべく早くワクチンを全国民に接種」してもらう方法へ移行すると発表しました。秋以降に感染の少ない世の中になっていることを切に願います。

執筆 ペレ信子

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