農家直売店の店先
私事ながら、13年ぶりにフランスに戻ってきてから、早くもすでに2年が経ちました。以前暮らしていた時との違いを感じる点はいろいろありますが、今回はまたそのうちの一つのお話を。
増えてきた“産地直売”
それは、“circuit court”の概念です。直訳すれば「短い経路」という意味のこの言葉。最近では「農作物の作り手と買い手の距離が短い」という時に使われます。つまり日本語だと「産地直売」のニュアンスと言えるでしょうか。
この概念に先立つものとして、スーパーマーケットで増えたのが「ローカル野菜コーナー」。これも確か90年代には見かけることがありませんでした。
私が住んでいるのは小さな町で、近くに農地が広がるようなところです。そのため、農家が直接野菜を売る小さなお店もぽつぽつとあり、そこで買い物をする人も少なくありません。そういう農家直売が最初の “ circuit court ”。
うちの近くにもできました
最近では農家同士が集まって大きなお店を作るところも。日本でいえばJA店や道の駅のお店のような感じでしょうか。
うちの近くにもこの夏、一軒できました。野菜・卵・乳製品・パン・ジャムやはちみつ・ビール・肉など作り手のわかるものが置いてあり、開店早々に盛況を博しているようです。
フランス版JA?
インターネット版も
また、産地直売のインターネット版も生まれています。例えばこちらのサイトでは、ノール・パドカレ地方で生産されたものを選んで注文できます。そのあとは、近くの受け取り場所まで取りに行くという、いわゆるドライブ式です(ドライブについてはこちらをご覧ください)。
歓迎したい風潮です
とりわけ、農産物のような口に入るものは仲介業者が少ない方が鮮度が高いわけですし、無駄な中継地を通らないという意味でエコロジーにも通じます。遅ればせながらようやくフランスにも訪れた、この「産地直売」を尊ぶ風潮。大いに歓迎したいものです。
執筆 ゆき