12月4日(金)、11月24日のマクロン大統領の発表で、ロックダウンの段階的解除の第2弾としてクリスマス休暇時期の行動制限緩和には、1日の新規コロナ感染者5000人以下が条件でした。緩和予定日の15日まで、あと2週間を切った昨日3日(木)の1日の感染者は12,696人、死者324人と依然高い数値となっています。フランス政府は休暇中の国内の移動解禁による1月以降の第三波を警戒しています。
クリスマスや大晦日の集まりは大人6人までに
カステックス首相は昨日の記者会見で、「クリスマス、大晦日の集まりは大人6人まで(子供は数えない)」とすると述べました。感染者が多いお隣のスペインでは合計10人まで、欧州他国も6〜10人と発表していることから、参考にしたようです。
個人宅内での行動制限には法的強制力はありません。そのため「強い推奨」に留まっていますが、家庭内、プライベートの集まりでの感染が最も多いことを踏まえ、「例年通りのパーティではなく、個人宅内でもソーシャルディスタンスを取るように」と訴えています。
昼間の外出に証明書不要に、夜間外出禁止は再導入
15日よりの段階的解除では、フランス国内の移動が許可されますが、同時に21時から朝7時まの夜間外出禁止がまた、導入されます。ただし、12月24日と12月31日は例外とされます。
これにより、現在日中の外出のために必要とされる自己申告制の「例外的外出証明書」は不要になりますが、禁止時間帯の外出の場合は必要です。
映画館、劇場、美術館などが再オープン
15日以降に昼間の行動制限が解除されると、映画館、劇場、美術館、博物館などが再開されます。
後10日間で、1日の新規感染者5,000人以下の目標は達成できるのか?
ロックダウンを解除するには病院の逼迫の解消が必須となりますが、現在フランス全国の集中治療室には未だ3,400人前後の患者が入院しています。
解除のための数値目標には、1日の感染者数だけでなく、集中治療室の患者が3,000人を切ることも含まれています。しかし、過去1週間で8,625人が新たに入院し、そのうち1,212人が集中治療室に運ばれています。
フランス全国的に病床逼迫状態、医療関係者に「時期尚早」の声も
病床の利用率を地方別に見ると、オーベルニュ・ローヌ・アルプ地方(Auvergne-Rhône-Alpes)やブルゴーニュ・フランシュ・コンテ(Bourgogne–Franche-Comté)でいずれも100%を超え、ニースのあるプロヴァンス・コート・ダジュール(Provence-Alpes-Côte d’Azur)地方では80%を超えています。
パリを含むイル=ド=フランス地域圏(Ile-de-France)及びフランス東部グラン・エスト(Grand Est)で60%超、その他コルシカ(Corse)を除く全ての地方で40%を超えています。
このような状態のまま15日以降に行動制限が緩和され、休暇中の国内の移動により感染者が再度増加に向かうことを医療関係者は懸念しています。
フランスの新型コロナウイルス感染者は、既に累計で200万人を超え、死者も5万人を超えています。
15日以降の行動制限緩和の発表が来週予定されていますが、2度のロックダウンによる行動制限と経済への打撃による先行き不安で国民の不満が募る中、政府は苦しい決断を迫られそうです。
執筆:マダム・カトウ