第75回カンヌ映画祭開幕 トム・クルーズ登場、ウクライナ大統領演説など

2022.05.19

フランス 映画 カンヌ

5月17日(火)19時、第75回カンヌ映画祭が開幕しました。一昨年はコロナウイルスの感染拡大により中止、昨年は延期により7月の開催となり、2年ぶりに予定どおり開催式が行われました。

一方でウクライナ侵攻のためにロシアの俳優は参加できず、コロナウイルスの感染拡大により中国の俳優の姿もありません。

 

開会式では『カメラを止めるな!』のリメイク

17日はベルギー出身の女優ヴィルジニー・エフィラ(Virginie Efira)の司会のもと、開催式が行われました。

オープニングにはミシェル・アザナヴィシウス(Michel Hazanavicius)監督の『止めなさい(仮訳) Coupez!』が上映されました。この作品は2017年、日本の上田慎一郎監督による長編コメディ『カメラを止めるな!』のリメイク版です。

パルム・ドール・ドヌールにフォレスト・ウィテカー

「名誉パルムドール」とも呼ばれるパルム・ドール・ドヌール(Parme d’or d’honneur)には映画界への貢献と人道的活動などの功績を評価されたベテランの俳優が選ばれます。

今回はまず、1988年『バード Bird』(クリント・イーストウッド監督)で主演男優賞を受賞した米俳優フォレスト・ウィテカー(Forest Whitaker)が選ばれました。

2012年には「ウィテカー・平和と発展イニシアティブ」(Whitaker Peace and Development Initiative)を立ち上げ、南アフリカ、ウガンダ、南スーダン、メキシコなどで少年の支援活動を行っています。

また、南スーダンでドキュメンタリー『平和のために For The Sake of Peace』を撮影し、世界平和への貢献を評価されています。

トム・クルーズはサプライズ登場!

また開会式で上映を予定されていた『トップガン マーヴェリック Top Gun : Maverick』の主役トム・クルーズ(Tom Cruise)がフランスのパトロール隊とともにヘリコプターで登場しました。

この作品は『トップガン Top Gun』(1986)の続編として注目を集めていましたが、コロナウイルスの感染拡大によって劇場公開が延期されており、ようやく世界初公開となりました。

トム・クルーズ氏は『ミッション・インポッシブル Mission Impossible』シリーズなどアクション映画に多く出演し、「映画史のなかで最も成功したひとり」として、今回パルム・ドール・ドヌールを受賞しました。

 

ウクライナ ゼレンスキー大統領のスピーチ

開会式中にはウクライナ大統領であるウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)が映像で登場しました。

とくにチャップリンの映画「独裁者」(1940年)を取り上げ、現在の状況を「独裁者がいる」と表現し、「われわれにもチャップリンが必要だ」「独裁者は負けるだろう」と訴えました。

反戦の意を示し、映画祭ではウクライナの作品もいくつか取り上げる予定です。

セレブレニコフ監督もレッドカーペットへ

ロシアの政府関係者やメディアは今回の映画祭に参加することはできません。

一方、ロシアからはキリル・セレブレニコフ(Kirill Serebrennikov)監督の『チャイコフスキーの妻 La femme de Tchaïkovski』がパルム・ドールの候補にノミネートされています。

セレブレニコフ氏は統制社会を描いた『レト Leto』(2018年)、長編『インフル病みのペトロフ家 La fièvre de Petrov』(2021年)でもパルム・ドール候補に選ばれ、注目を集めてきました。

映画祭は28日まで、90カ国から4,000名のメディアが参加する予定です。

執筆あお

参照
Festival de Cannes 公式HP
Meet Forest Whitaker, winner of the Honorary Palme d’or at the 75th Festival de Cannes

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