EUに「移民庁」設立案 仏・独首脳会談で共同声明

2018.06.20

Ziel Europa

19日(火)、フランスのエマニュエル・マクロン(Emanuel Macron)大統領とドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、ベルリンで行われた首脳会談の中で、EU(欧州連合)に「移民庁」を設立し、急増する移民流入を抑制し、一部の国に偏っている移民受け入れを他のEU加盟国へ分散させるよう、働きかけをする考えを明らかにしました。

 

EU移民庁とは

マクロン大統領、メルケル首相の両首脳は、19日、EU改革について議論するため、ベルリン郊外で首脳会談を開きました。会談後、激増し深刻化する移民問題や危機的な財政状況を脱する為の改革案のたたき台を共同で発表しました。

声明の中で、EU加盟国各国間の難民認定基準を調整する機関、EU移民庁(以下、移民庁)を設置する必要性を強調しました。

具体的には、EUとその他の地域との国境の監視を担っている、ポーランドに本拠地を置く政府機関「欧州対外国境管理協力機関(Frontex)」の予算を大幅に増やし、要員を1万人まで増員します。また、移民の送り出し国となっている北アフリカの地中海沿岸諸国に対し、開発援助などを通じて経済発展支援と情勢安定化を強化することを決定ました。

 

一部の国に偏っている負担を分散、軽減

現在、主な移民流入の入り口となっているイタリアは、増え続ける移民に対して「反移民」の国民感情が高まり、EU懐疑派で反移民の姿勢をとるポピュリズム政党の「五つ星政党」と右派政党の「同盟」が連立で政権を握っています。ジュゼッペ・コンテ(Giuseppe Conte)イタリア首相は、イタリアに集中している負担を軽減させるよう、EUに対して改革を求めています。

今回の移民庁の設立は、こうした一部の国に偏っている負担を軽減し、EU加盟国各国で負担を分担したい狙いがあります。メルケル首相は声明で「(移民流入によって最も影響を受けている)イタリアの立場を考慮する必要がある」と述べました。

 

負担が増える東欧諸国は反発か

一方、EUによる難民の受け入れの割り当てによって、負担が増えることを懸念する東欧諸国は、受け入れを拒否しています。また、オーストリアの保守政党「オーストリア国民党」党首で同国の首相のセバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)首相や、デンマークのラース・ロッケ・ラスムセン(Lars Løkke Rasmussen)首相は、「反移民・反難民」による結束を各国に訴えていて、フランス、ドイツのとる移民政策には反対しています。

移民庁設置によって、各国の負担が更に増すことから、こうした国々から反発の声が出ることは必至です。マクロン大統領とメルケル首相は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR Office of the United Nations High Commissioner for Refugees)と連携を取りながら、計画を進めていきたい考えです。

 

 

両首脳、ユーロ圏共通予算の設定で合意

また、両首脳は緊迫するユーロ圏の財政を建て直し、圏内の投資を促して、課題となっている圏内の経済的競争力の地域格差を縮めるため、ユーロ圏の共通予算の設定で合意しました。

これはマクロン大統領が昨年夏に提唱していたものです。しかし、イタリアやスペインといったずさんな財政管理をしている国の為に、経済的負担が増えることを危惧するドイツ国内の保守派勢力からは反対の声が上がっていましたが、メルケル首相がフランスに歩み寄った形となりました。

共通予算は2021年までに設定される予定ですが、現時点では具体的な金額は決まっていません。

執筆:Daisuke

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