6月18日 2018年度バカロレア試験が始まる 初日は名物の「哲学」

2018.06.19
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Le bac

18日(月)8時、フランスで一斉にバカロレア(baccalauréat)の試験が始まりました。今年は、およそ753,000人が受験しています。

 

バカロレアとは

バカロレアとは、フランスの国民教育省(Ministère de l’Éducation nationale, de l’Enseignement supérieur et de la Recherche)が発行する、中等教育(高等学校教育)修了を認証する国家資格のことを言い、通称Bac(バック)と呼ばれます。日本の高校卒業資格にあたり、フランス全土で同じ試験を受けます。

1808年にナポレオン・ボナパルト(Napoléon Bonaparte、ナポレオン一世)によって導入され、毎年6月に実施され、210年の歴史を誇ります。通常は高校卒業の18歳で受験することがほとんどですが、過去には13歳や93歳で受験した人もいます。

バカロレアは大きく分けて、普通バカロレア(Le baccalauréat général)、技術バカロレア(Le baccalauréat technologique)、職業バカロレア(Le baccalauréat professionnel)の3つがあり、それぞれのバカロレアが更に細かく分類されます。

各バカロレアは、在籍している高校によって取得できるものが違います。

・大学進学を目指す普通教育課程高校(Lysée général)→普通バカロレア
・工業の専門的な知識を身に付ける工業高校(Lysée technologique)→技術バカロレア
・パンや菓子などの専門的な知識を身に付ける職業高校(Lysée professionnel)→職業バカロレア

それぞれのバカロレアを取得する為、高校を卒業する前に試験を受けます。

 

普通バカロレア

普通バカロレアには、
・文学部門 Baccalauréat littéraire (L)
・経済社会学部門 Baccalauréat économique et social (ES)
・科学部門 Baccalauréat scientifique (S)

の3つの部門があります。この選択がその後の進路に大きく影響してくるため、バカロレアの選択はとても重要です。

 

バカロレア試験 1日目は名物の「哲学」

バカロレアの試験は7日間行われ、それぞれの部門によって受ける科目や試験内容が変わります。各科目の試験時間は3時間~4時間です。

1日目は、文学・経済社会学・科学の各部門共通科目の「哲学」です。哲学の問題が非常に難解だとして、毎年試験問題が話題になり、ニュースでも取り上げらるほどです。

各部門でそれぞれ出題される問題は違いますが、問題の形式は同じです。問題は3問出題され、その中から1問選択し、4時間の試験時間で論述していく、というものです。1問目と2問目は、哲学に関する問題が短文で出題され、それに答えます。3問目は、哲学者が書いた文章の抜粋が提示され、その文章を解説しなければいけません。

 

今年の哲学のお題は?

発表された、今年の普通バカロレア各部門と技術バカロレアの哲学の問題は、以下の通りです。

文学部門

1、文化は我々をもっと人間らしくしてくれるのか
2、我々は真実を放棄することはできるのか
3、アルトゥール・ショーペンハウアー(Arthur Schopenhauer)著『意志と表象としての世界』(原題:Die Welt als Wille und Vorstellung 仏題:Le Monde comme volonté et comme représentation)からの抜粋を解説せよ

経済社会学部門

1、全ての真実は決定的であるか
2、我々は芸術に鈍感になることができるのか
3、エミール・デュルケーム(Émile Durkheim)著『宗教生活の原初形態』(原題:Les Formes élémentaires de la vie religieuse)からの抜粋を解説せよ

科学部門

1、欲望は我々の不完全さの兆候であるか
2、不正を経験することは、何が正しいかを知るうえで必要か
3、ジョン・スチュアート・ミル(John Stuart Mill)著『論理学体系』(原題:A System of Logic, Ratiocinative and Inductive 仏題:Un extrait du Système de logique)からの抜粋を解説せよ

技術バカロレア(一部の部門を除く)

1、経験は誤解を引き起こす可能性があるか
2、我々は技術の発展をコントロールしうるか
3、シャルル=ルイ・ドゥ・モンテスキュー(Charles-Louis de Montesquieu)著『法の精神』(原題:De l’esprit des lois)からの抜粋を解説せよ

技術バカロレア(一部の部門)

1、私の幸せを妨げるものは何か
2、我々が真実を追い求めなければいけないのはなぜか
3、アラン(Alain 本名:エミール=オーギュスト・シャルティエ Emile-Auguste Chartier)著『権力論』(原題:Propos sur les pouvoirs)からの抜粋を解説せよ

 

2日目以降の科目は?

本日2日目は「歴史・地理」、そして3日目は「第1外国語」と続きます。それ以降は部門によって科目や日程が変わりますが、「数学」「第2外国語」が共通科目としてあります。

日本のセンター試験の様なものですが、論述が多く、1日1科目を3時間~4時間かけて解いていくのは、バカロレア試験ならではです。また、高校生が哲学の問題を解く、というのもフランスらしい特徴です。

フランスの多くの高校生が挑む、バカロレア試験。今年は一体何名が合格するのでしょうか。

執筆:Daisuke

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