5月9日、フランス国鉄(SNCF)は本日より新料金体系を導入しました。複雑だった料金設定を簡素化し、利用者の便宜をはかることが目的です。
料金設定は3種類のみ
TGV(高速鉄道)―但しローコスト高速列車のOUIGOを除く―およびインターシティ(欧州内在来線特急列車)には、今まで1等、2等という二つの等級それぞれにプロ(Pro)、ロワジール(Loisir)、プレムス(Prem’s)と呼ばれる料金設定があり、合計6つの料金が存在しましたが、今回の改正で3種類の設定が簡素化されました。但し、クリスマスや夏休みなどのバカンスシーズン繁忙期は料金が高く、早めに購入したほうが割安など、乗車時期と購入時期による料金変動ルールは改正後も変更はありません。
SNCFによると、今回の改正で「過去にあった【二等より一等のほうが安い列車が存在する】といった矛盾」がなくなります。
全ての乗車券が変更可能に
事前購入の最安値料金「プレムス」は改正後も維持されます。この割引乗車券は今まで変更や返金が一切不可でしたが、今回の改正で出発の30日前まで無料、3日前まで5ユーロ(約620円)、当日出発前まで15ユーロ(約1860円)にて変更および返金が可能になりました。
これについてSNCFの広報担当は「最安値のチケットが変更返金不可なのは詐欺だといった苦情が多いこと」、また「予定が変わって使えなくなった乗車券を、転売サイトに出品する利用者が増えた」ことから、割引乗車券も変更返金対象にしたと説明しています。
また、フランス国鉄の常務取締役のラシェル・ピカール(Rachel Picard)氏は記者会見で「値上げは一切ありません」と、懸念されていた改正に伴う値上げは無いと発表しました。
割引カード《AVANTAGE》を一律49ユーロで販売
今まで色々な名前がついていた1年間有効の割引カードは、名称をAVANTAGE(アバンタージュ)に統一されました。
料金も一人当たり49ユーロ(約6020円)で、大人一律30%(今までは25%~30%)子供(4~11歳)で60%の割引が受けられます。
これにより各種割引カード、ユース割引(12~26歳)(50ユーロ:約6200円)、シニア割引カード(75ユーロ:約9300円)、週末割引(75ユーロ:約9300円)、家族割引(75ユーロ:約9300円)の料金がすべて49ユーロに統一されました。
週末割引と家族割引は旅程に週末を挟む必要があります。また、家族割引カードを利用すると、大人1名と同伴の子供3人まで割引料金で購入できます。
割引はOUIGO以外のTGVおよびTER(Transport Express Régional)などの在来線にも適用されます。また最安値の割引料金プレムスでも利用可能になりました。
1ユーロ=124円
執筆:マダム・カトウ