エリザベット・ボルヌ交通担当大臣(Elisabeth Borne, ministre des Transports)は1月17日(木)、高速道路の事業者と協力のもとで通勤向けに高速料金(tarif des péages)の割引を実施することを発表しました。
割引は2月から
今回の割り引きは、通勤ルート(trajets domicile travail)として同じ区間を走行する人に2月1日から適用されます。月に10回以上の利用が条件で、全国の有料道路網(réseau autoroutier payant)で一律に実施される予定です。
高速料金の通勤定期
フランスの高速道路(autoroute)では、通勤向けの定期券のような定期購入システム(abonnement)があります。多くは高速道路の民間運営会社が個別に設けており、地域や利用区間によって使用料金が異なります。
例えば、ヴァンシ(Vinci)社が運営するパリ周辺の代表的な高速道路「デュプレクス86(Deplex86)」の定期購入システム使用料の月額は2.5€(約311円/1ユーロ=124円で換算)です。
今回の高速料金の割引は、以前から登録している人にも、新しく登録する人にも適用される予定です。フランス政府が民間のヴァンシ社やエファージュ(Eiffage)社、サネフ(Sanef)社と個別に契約を結び、資金を補助するかたちをとります。
購買力の向上にむけた措置
「黄色いベスト運動(Manifestation des Gilets Jaunes)」が行われるなかで、ボルヌ大臣は国民の購買力を高めるために道路会社と交渉し、割引措置を実現させました。
燃料費の高騰に対する抗議が高まるとともに、高速道路を再国有化する案や、高速料金の定額制を導入する案もありました。しかし、予算上の都合からボルヌ大臣は今回のような減額措置を決定しました。
執筆あお