2026年2月20日(金)、フランス西部および南西部では、35日間連続という記録的な降雨にみまわれ、広範囲にわたる浸水が続いています。暴風雨ニルスに続き、ペドロが到来、さらなる被害が予想されます。厳重警戒地域となっているのは、ロワール=アトランティック(Loire-Atlantique)、シャラント=マリティーム(Charente-Maritime)、メーヌ=エ=ロワール(Maine-et-Loire)及び周辺で、一部の地域では列車の運休などが相次いでいます。
ロワール川、ガロンヌ川などが氾濫、11万ヘクタールが浸水
フランス最長の川、ロワール川はフランス中央高地を源を発し、オルレアン(Orléans)から西方に折れ、トゥール(Tours)をへてナント(Nantes)で大西洋に注ぎます。
今回同様、過去にもその広大な流域でしばしば洪水が起こっています。
支流の一つであるメーヌ川(Maine)が流れる人口16万のアンジェ市(Angers)では、河岸沿いの道路及び周辺が冠水しています。旧市街の中心部では床上浸水のため商店は商品や資材を運び出す作業に追われていると地元メディアは報道しています。
アンジェ市長クリストフ・べシュー(Christophe Béchu)氏は、今週末まで事態の改善の見込みはないと判断し、一部老人ホームの入居者を避難させたと発表しています。同市では川沿いの道路及び二つの橋が通行止めになっています。
メーヌ川は現在も水位が上がり続けており、今後さらなる被害が予想されます。
ボルドーから北へ車で1時間半、シャラント川が流れるサント(Saintes)では村全体がほぼ冠水、2000戸が被害にあい、うち半数が床上浸水しています。住民は自治体が用意したトラクターやボートでしか家にアクセスすることができない状態が続いています。また、この地域にある刑務所も130名あまりの受刑者を避難のため移動させています。
ロワール=アトランティック県では、隣接する地域であるナントの環状道路の一部が、路面の冠水により両方向とも通行止めとなっています。また、12の自治体がそれぞれの地域防災計画を発動しました。
レンヌ市(Rennes)の位置する、イル=エ=ヴィレーヌ(Ille-et-Vilaine)県も、現在厳重警戒地域に指定され、河川の水位があがっていることから、同市内の河川沿いでは防水バリケードをはるなど対策が取られています。
ロワール古城一部臨時閉館など、世界遺産シュノンソー城は?
アンドル=エ=ロワール県(Indre-et-Loire)では、ロワール川の支流であるアンドル川(Indre)、シェール川(Cher)が氾濫しています。
世界遺産でフランスで最も美しい城ともいわれるシュノンソー城(château de Chenonceau)は、このシェール川をまたいで建っています。
川の水位はかなり上がっており、水は濁って茶色になっていますが、城側は「いつもとは違う城を見に来てほしい」と発表しているものの、天候状況は常に変わるため注意が必要です。
アンドル川の河岸にあるユッセ城(château d’Ussé)も、川の水位は高いものの開館中になっています。
周りを「水で囲まれた」リレット城は4月から再開
アゼルリドー城(château d’Azay-le-Rideau)は、アンドル川の氾濫で正面の中庭に通じる橋の損傷が懸念されるため、今週水曜日に臨時休館しています。
同城から2kmほど行ったところにあるルネッサンス期に作られた美しい城、リレット城(château de l’Islette)は、城主(Bénédicte Michaud)のFacebookの投稿によると、周辺が冠水、城が「完全に水に取り囲まれて」いる状況です。
洪水のピークは過ぎたとのことですが、城の再開は4月4日になる発表されています。
交通への影響、道路遮断、列車運休など
南西フランスでは一部の道路が遮断されるなどの被害が発生しています。
鉄道網も、ナント〜アンジェ間及びボルドー〜ナルボンヌ間(Bordeaux-Narbonne)で運行見合わせになっています。
移動の際は注意が必要です。
参考(FranceInfo、20minutes、le monde、Francebleu、TF1、arte)
執筆:マダム・カトウ












