2023年7月11日(火)、先週末よりフランスでは気温がグッとあがり猛暑が続いています。地方により37℃まで上がり、パリでも最高気温が32℃〜33℃となっています。温暖化が顕著になる中、世論調査によるとお金持ちほど環境問題に関心が高いようです。
フランス各地で猛暑、20県に高温や雷雨注意報
フランス南部、南東部、アルプ=マリティム(Alpes-Maritimes)、アルプ=ドゥ=オート=プロヴァンス(Alpes-de-Haute-Provence)ロワール(Loire)、ローヌ(Rhône)などを含む9県で猛暑注意が出されています。
またアルザス地方(Alsace)などの東部、南東部など17県で雷雨注意報が出され、同地方およびオーヴェルニュ(Auvergne)地方では本日午後、時速100km〜120kmの暴風、落雷や大粒の雹などへの注意報が出されています。
パリの最高気温もここ数日30℃を超える日が続いています。
例年と違い暑い晴れの日だけが続くわけではなく、曇ったりにわか雨が降ったり、温室化ガスの影響か湿度が上がっていると感じます。
個人宅にエアコンがほとんど普及していないフランスでは、アパートなら「気温の下がる早朝に換気した後は雨戸を閉めきりましょう」、一軒家なら「屋根を白く塗りましょう」といった生活の知恵がネット上を賑わせています。
環境問題への関心、都会、高収入ほど高い
フランス保健省(ministère de la Santé)の統計部門(DREES)が18歳以上の国民4,000人を対象に行った世論調査によると、環境問題はフランス人の最大の心配事の一つであることが明らかになっています。
調査結果によると、収入がより高く、「フランシリアン」(Franciliens)と呼ばれる、パリおよびイル=ド=フランス(Île-de-France)の住民 など都市部の人ほど、政府の環境対策を支持していることがわかります。
フランシリアンの57%はカーボン税を上げることに賛成していますが、農村部の支持率はわずか20%、それ以外の地方で30%前後になっています。回答者全体では賛成が35%ですが、管理職に就いている人はその割合が47%と高収入の人ほど支持していることがわかります。
つまり、脱炭素の対策の中でも、自らの購買力に悪影響を及ぼすものに関しては支持しない層が多いということです。
環境問題への懸念、フランス人の二番目の関心事だが
DREESが2022年に行った世論調査では、環境の変化により引き起こされる問題を「懸念している」と答えた人は84%にも上りました。
これは給与所得や購買力への懸念(91%)に次いでフランス国民の二番目の心配事で、「貧困」(83%)や「年金システムの将来」(80%)、男尊女卑や女性への暴力(78%)、治安問題(44%)を抜いています。
結論として、環境問題への懸念は大いにあるものの、自分のお財布に直結する対策に関して、国民の支持は足並みが揃わないようです。
執筆:マダム・カトウ