飲料販売業者・流通業者がリサイクルの為のデポジット制度導入を訴える

2019.07.08

6日(土)、10日(水)にブリュヌ・ポワルソン(Brune Poirson)国務大臣・環境連帯移行大臣付副大臣によって循環経済と浪費に対する法案が提出されるのを前に、ジュルナル・デュ・ディマンシュ(Le Journal du dimanche/JDD)紙に、飲料製造業者及び流通業者の代表者が連名で、ペットボトル、缶飲料の容器リサイクルの為のデポジット(補償金/consigne)制度導入を求める声明を掲載しました。

 

EUで定められているリサイクル目標

EUでは、リサイクルされた資源ではない「バージン原料(一次資源)」と呼ばれる資源が中心の産業から、「リサイクル材(二次資源)」を優先的に使用するための産業に方向転換するための目標を定めた政策、「RE(資源効率性、Resource efficiency)政策」がとられています。

RE政策では、リサイクル材(二次資源)が使える場合はそちらを優先して使う、と定められています。リサイクルの目標として、90パーセントのペットボトルの回収、30パーセントリサイクル材が含まれている資源の利用などが掲げられています。

 

リサイクル先進国に後れを取るフランス

今回の声明では、フランスの現行のシステムでは、RE政策の目標を達成することは困難であると述べている一方で、リサイクルの為のデポジット(補償金)制度を導入している国のみが、90パーセントの回収率を維持、または上回っていると報告しています。

リサイクルの為のデポジット制度を導入している、フィンランド(回収率91パーセント)やデンマーク(90パーセント)、ドイツ(97パーセント)では、ペットボトルの高い回収率を維持しています。

ドイツの取り組み

環境先進国としても有名なドイツでは、ペットボトルや缶、瓶などには、容器によって日本円で10円~40円程度のデポジットが料金に上乗せされています。※されていない商品もあります。

店舗に設置されている専用の機械に容器を入れると、返却された容器に応じてデポジットが返金される仕組みになっています。また、商品を購入した店でなくても容器を返却することができます。

 

大企業や組合の代表らが連盟で声明

今回の声明は、容器の回収率を上げるために、フランスでのデポジット制度導入を求めて、国立牛乳消費組合(Syndicat national du lait de consommation)やミネラルウォーター労働組合(Syndicat des eaux de sources)などの代表的な労働組合や、ボワッソン・エネルジザントゥ・フランス(Boissons énergisantes France)と言った飲料製造業者や流通業者の代表者らが、連名で掲載しました。

声明全文は→こちら←から確認できます。

10日に、デポジット制度導入に前向きである、ブリュヌ・ポワルソン国務大臣・環境連帯移行大臣付副大臣が、循環経済と浪費に対する法案を提出するとみられていますが、今回の声明発表はその法案可決を後押しさせるためのものとみられています。

フランスでもこの制度は導入されるのでしょうか。

執筆:Daisuke

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