同性婚合法化から5年 同性カップルの約4割が子供を希望 多くが体外受精、代理母出産に賛成

2018.09.25
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9月25日(火)、同性両親家庭擁護協会(Association de défense des familles homoparentales/ADFH)は、同協会が事前に同性カップルに行った調査で、およそ40パーセント近いカップルが子供を持ちたい、またほとんどのカップルが(体外受精などの)生殖補助医療(La procréation médicalement assistée/PMA)、代理出産(La gestation pour autrui/GPA)に賛成していると回答した、と発表しました。

 

フランスの同性婚

フランスでは、2013年2月に国民議会(Assemblée nationale/下院に相当)で、4月に元老院(Sénat/上院)で同性婚解禁法案が可決され、同年5月18日に施行されました。同性婚を認めた国としては世界で14番目です。

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施行後も、同性婚反対派による大規模なデモが行われるなど、依然として同性婚に対する根強い反発が残っています。反対する主な理由の一つに「全ての子供は父親と母親を持つ権利がある」「すべての子どもは父親と母親から生まれる」があります。

認められている養子縁組、認められていない体外・人口受精

フランスの同性婚では、養子縁組が認められているため、同性カップルも子供を持つことができます。

一方、人工授精や体外受精などの生殖補助医療(PMA)の権利は認められていません。生殖補助医療が適用されるのは、不妊など医学的理由があること、42歳以下、という条件を満たしている場合のみです。また、異性のカップルの場合でも、卵子提供には多くの規制がかかるため、受けられる可能性が低いのが現状です。

異性・同性カップル共に認められていない代理出産

代理出産に関しては、異性のカップル、同性のカップル共に「人体の譲渡は不可」という1994年に制定された生命倫理法によって、刑罰付きで厳しく禁じられています。

代理出産が認められている外国で子供を授かった場合でも、フランスでは市民登録をすることも、養子縁組をすることもできません。

しかし、子供に市民籍がないため、身分証明書や健康保険証を持つことが困難なことから、2013年に、当時のクリスティアーヌ・トビラ(Christiane Taubira)司法大臣の名前をとって付けられたトビラ法によって、現地で作成された「依頼者を親とする」証明書があるという条件のもと、限定的に代理出産によって生まれた子供にフランス国籍が与えられています。

 

6月におこなわれたゲイパレードで出産の権利を訴える

今年6月30日(土)にパリで行われたゲイ・プライド(Paris Gay Pride in 2018)では、「すべての女性に出産の権利を」とレズビアンの女性が訴えるなど、異性カップルと同様に、全ての女性が生殖補助医療を受ける権利を有するべきだ、との意見が多く見られました。

 

多くの同性カップルが子供を持ちたい

25日に同性両親家庭擁護協会が、フランスで生活している45歳以下の同性カップルを対象に行った調査結果では、回答したカップルの実に4割が子供を持ちたいと答えたことがわかりました。また、調査に協力したカップルの多くが、代理出産に賛成しています。

回答したカップルの内、およそ52パーセントがすぐにでも子供を持ちたいと答え、35パーセントが3年以内に家庭を築きたいと答えました。

フランス世論研究所(Institut français d’opinion publique/Ifop)のフランソワ・クロス(François Kraus)代表は、「これらの結果は、国立人口学研究所(l’Institut national d’études démographiques/Ined)が全フランス人を対象に調査した結果とほぼ同じ割合で、異性・同性カップルに関わらず、ほぼ同じ割合のカップルが子供を持ちたいと答えていることになる」と述べています。

またクロス氏は、「法律を変えなければ、同性カップルが海外で子供を持つことは避けられない」とし「子供を持ちたいと願う同性カップルの内、およそ75パーセントは、既に生殖補助医療か代理出産(GPA)が合法な国へ行く準備ができている」と続けました。また、「とにかく、同性カップルの(養子縁組による)親は既に存在している」と述べ、フランスでの同性カップルへの生殖補助医療、代理出産の議論は避けられない事を示唆しました。

 

異性カップルも代理出産を望む

代理出産は、不妊などで子供を持つことができない異性カップルも多く望んでいて、決して同性カップルだけの問題ではありません。

現在フランスでは、代理出産を巡る議論が活発化していますが、不妊治療のすそ野を広げることに前向きな人たちの間でも、カトリックの影響を受け伝統的な家庭を維持することが良いとする考えの人も多く、代理出産には批判的な人がいるのが現状です。

執筆:Daisuke

 

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