国が学校における同性愛嫌悪に対する啓発運動を開始

2019.01.29
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28日(月)、政府は、全ての中学校と高校で、同性愛嫌悪(以後ホモフォビア/仏:Homophobie)や性同一性障害やトランスジェンダーへの嫌悪(以後トランスフォビア/仏:Transphobie)に対する、新たな啓発キャンペーンを開始したと発表しました。

 

多発する学校内での差別をうけて政府が動く

国民教育省は、学校における、ホモフォビアやトランスフォビアによる差別行為が多発していることを受け、全ての中学校、高校で新たなキャンペーンを開始すると発表しました。

ça suffit ! もう十分だ!

黒色と、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの頭文字)を象徴する虹色で「ça suffit !(もう充分だ!)」と書かれた背景には、MOQUERIES(あざけり)、DISCRIMINATION(差別)、INSULTES(侮辱)、REJET(拒絶)、AGRESSION(攻撃)と、LGBT当事者が直面する様々な差別的行為が書かれています。

その下には「Je m’engage contre les violences homophobes et transphobes(私はホモフォビアとトランスフォビアによる暴力に対抗することを誓う)」と記され、更に「Dans mon collège, tous égaux, tous alliés(私の中学校では、全てが平等で、みんなが結ばれています)」と、学校内でのホモフォビアやトランスフォビアによる一切の差別行為の撲滅を呼び掛けています。

Affiche de campagne du gouv… by on Scribd

多発する差別行為をうけて

今回のこのキャンペーンを実施するにあたり、ジャン=ミシェル・ブランケール(Jean-Michel Blanquer)教育大臣は「昨年9月以降、ホモフォビア・トランスフォビアによる差別行為がいくつか報告され、それが今回のキャンペーンを実施する理由する大きな理由だ。」と述べています。

「これは、社会の暴力と関わっている。学校はそれを最前線で食い止めなければならない」と、教育現場における差別意識撤廃の重要性を強調しました。

 

憎悪感情が増える原因を考え総合的に、そして慎重に

フレデリック・ポワティエ(Frédéric Potier)人種差別・反ユダヤ主義および反LGBTによる憎悪に対抗する閣僚間代理(Délégué interministériel à la lutte contre le racisme, l’antisémitisme et la haine anti-LGBT/DILCRAH)は、今回のキャンペーンを実施する上で、「親が同性愛に対して向き合うためには、我々が支援していかなければならない」と、一方的に差別撤廃を掲げるのではなく、社会的支援が必要との考えを明らかにしました。

差別行為は前年比38パーセント増

フランスメディアによると、現在学校では5人に1人がホモ・トランスフォビアとの調査結果が出ています。全ての性的少数者に対する嫌悪を撲滅するための国営協会、SOSホモフォビア(SOShomophobie)によると、学校内でのホモ・トランスフォビアによる差別行為は、前年に比べ、38パーセントも増加しています。

原因特定は容易ではない

ポワティエ氏は、「ホモ・トランスフォビアによる差別行為の急激な増加の原因を特定することは複雑だ。しかし、私はより開かれ、寛容で、多様性を認め合い、違いを受け入れる社会を持つことが出来ると信じている。」と述べました。

一方で、「多様性を受け入れ、LGBTのカップルが公共の場で愛情表現をすることが出来るということは、残念ながら拒絶の反応を引き起こし、侮辱や嫌がらせ、暴行と言った事件を引き起こす恐れがある。」と、多様性が受け入れられることによる、新たな差別を生むことへの懸念も示し、思春期で多感な子供たちに対して用心深く対応していく必要性を明らかにしました。

LGBTの若者の自殺率は平均の4倍

LGBTの若者は、思春期の多感な時期、両親や周囲へカミングアウト(LGBTであると告げること)することが出来ないことや、世間の差別的な言動などに悩むことで、その自殺率は平均の4倍も高く、対応が急がれています。

ポワティエ氏は「特に家族にカミングアウトすることは容易ではない。」と述べ、そのうえで、「家族を支える協会もあり、若者に対して与える言葉や接し方など、社会全体が家族を手助けしていかなければならない。すぐに効く魔法のレシピはないが、敏感に対応できるようにしておく必要がある。」と表明しました。

 

社会全体でLGBTの若者を守れ

教育相は、5月17日の国際反ホモフォビアの日(International Day Against Homophobia and transphobia, IDAHO)を、学校での「LGBTの若者との連帯の瞬間」にしたいと表明しています。

また、およそ70人のアーティストが、LGBTの若者を支援するため無償で反ホモフォビアを伝えるビデオクリップ DE L’AMOUR に参加し、社会全体で守っていこうと取り組んでいます。

日本でもこのように国や社会が一丸となった取り組みが増えていくといいですね。

執筆:Daisuke

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