本日、4月3日から6月28日まで、毎週2日、計36回のストライキが予定されていますが、初日の今日のパリを含むイル・ド・フランス( Île-de-France)地域圏の交通は大混雑しています。
国鉄職員の77%がストに参加
フランス国鉄各組合の予告どおり、3ヶ月に渡るストライキの初日の今日は大規模な動員となり、イル・ド・フランス内の交通は2本に1本から6本に1本の運行、通勤ラッシュの時間帯の電車と駅は大混雑となっています。運行本数の詳細は昨日の投稿をご覧ください。
今朝のパリ市内リヨン駅(Gare de Lyon)ではホームに人があふれかえって線路になだれ込んだりするなど、朝から各地の混雑ぶりが報道されています。
ごみ収集職員、ガス電力会社も便乗
最近の一連のストライキの波にのってか、フランス国内の一部の都市(パリ、マルセイユ、モンペリエ、フランス東部、北部)ではごみ収集職員らが無期限のストライキを開始しました。
職員たちは「ごみ収集および分別職員の地位の向上」をスローガンにかかげ、全職員の定年を通常の定年(62歳)から5年早め、さらに、不衛生で苦痛を伴うごみの収集と分別職員には10年早い52歳からの定年と労働時間の短縮も要求しています。
一方、すでに欧州内で自由化されているガス、電力会社ですが、その最大の労働組合FNME-CGTの組員たちがフランス国鉄と同じ日程でストライキを開始しました。彼らは「新しいエネルギーの公共サービスの構築」をすることにより、「エネルギー職員(鉄道員のような特殊な地位)の地位の確保」と「自由化の終了」を求めています。
政府の対応は?
フランス国鉄のストライキ直前、4月1日にエリザベット・ボルヌ(Élisabeth Borne)運輸大臣(ministre des Transports)は組合との話し合いで、2019年から始まる欧州内鉄道自由化のフランス国内での導入の大枠を開示しました。
それによると、当初2019年から2023年の間とされていたイル・ド・フランス以外の郊外列車(Transilien)の入札は、その複雑さから2023年から2033年の間に変更になっています。また、イル・ド・フランスのRER(Réseau express régional 首都圏高速鉄道網)の入札はさらに先の2033年から2039年の間とされています。入札は路線一本ごとに行われるといわれており、完全自由化への道のりは相当長いといえるでしょう。
ボルヌ大臣はまた、フランス国鉄が入札できなかった路線で働く国鉄職員は、「希望により落札した鉄道会社で職場が保証され、同じ給与や年金条件で転籍することが可能になる」とし、さらに「新規参入会社の従業員は国が定めるフランスの労働法鉄道部門の労働協定にそって働くことになる」とも発表しています。
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執筆:マダム・カトウ