気候変動を食い止めよう! 10代の若者たちが立ち上がる

2019.03.12

フランス全土で、地球温暖化などの気候変動に対する10代の若者たちの関心の高まりを受けて、国民教育相(Le ministre de l’Éducation nationale)は、15日(金)にフランス国内のすべての高校で気候変動に対する討論会を実施する旨を発表しました。また、同じく15日には、10代を中心とした若者たちによる気候変動防止を訴えるデモ行進が予定されています。

 

世界中で高まる若者の環境への関心

16歳のスウェーデン人の少女、グレータ・テュンバルク(Greta Thunberg)さんが、毎週金曜日に学校の授業を休み、「将来の為の金曜日(Fridays for future)」運動という、地球温暖化と気候変動を阻止するためのストライキを始めました。世界中の若者が彼女の行動に賛同し、毎週金曜日に街へ繰り出し地球温暖化や気候変動防止を訴えています。

グレータ・テュンバルク

グレータ・テュンバルクさんは、2003年生まれの16歳で、地球温暖化や気候変動の防止を訴える活動家です。2018年8月にスウェーデンの国会議事堂前で一人でストライキを起こしたことで有名になりました。

彼女の行動は瞬く間に世界中に広まり、各分野の著名人が講演を行うことで有名なTEDにも出演し、気候変動防止を訴えました。また同年12月には国連気候変動会議で演説をおこなったり、2019年1月にスイスのダボス(Davos)で行われた世界経済フォーラム(World Economic Forum、通称ダボス会議)にも招待されるなど、世界中から注目されています。

毎週金曜日に「将来の為の金曜日」運動と称して、地球温暖化と気候変動を阻止するためのストライキを行うことをSNS(ソーシャルネットワークサービス)を通じて世界中の若者に訴えるなど、精力的に活動しています。

世界中の若者が次第に彼女に賛同

彼女の行動は次第に世界中の10代を中心とした若者に支持され、ベルギーやイギリスなどでは、金曜日には何千人もの若者が通りに集まり、気候変動防止を訴えるデモ行進が行われています。

フランスでも徐々に運動が広がり始める

フランスでも「将来の為の金曜日」運動が徐々に広がりを見せています。

先月の2月15日(金)に行われた運動では、およそ200名の学生が、パリのエコロジー・持続可能開発・エネルギー省(Ministère de l’Écologie, du Développement durable et de l’Énergie)前に集まり、「パンダを救って!銀行家には課税を!(Sauve un panda, taxe un banquier)」「富裕層を減らして、ミツバチの巣箱を増やして!(moins de riches, plus de ruches)」などと書かれたプラカードを持って、大量消費の見直し、プラスチックごみの削減、石油燃料からバイオ燃料への切り替えなど、若者の視点で環境保全を訴えました。

参加者数ではベルギーやイギリスなどの規模には及ばず、メディアから「恥ずかしがり屋の若者の運動」などと揶揄されたフランスの「将来の金曜日」運動ですが、回を追うごとに徐々に参加する人数も増え、若者の間で環境問題への関心が高まって来ています。

 

今週金曜日はフランス全土の高校で気候変動防止の討論会が開かれる

広がる「将来の為の金曜日」運動を受け、国民教育相は今週金曜日にフランス国内すべての高校で、地球温暖化や気候変動防止を目的とした討論会を行う、と発表しました。

また、今週金曜日にはパリで大規模な「将来の為の金曜日」運動が予定されていて、パリ近郊だけでなく、他の地方からもパリへ駆けつけデモ行進に参加することを表明している若者も多くいます。

高まりを続ける若者の意識

フランスでは、菜食主義に切り替える、家族で環境について討論するなど、若者の環境への関心が高まりを見せています。将来の地球は自分たちで守っていく、という意識が次第に根付いてきているように感じます。

執筆:Daisuke

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