実用フランス語技能検定試験(仏検)は、自分のフランス語の実力を知る1つの目安となります。では実際のところ、仏検の何級からが「フランス語ができます!」と堂々と言えるレベルなのでしょうか?
各級について考えながら、実用レベルといえるのは何級からなのか説明していきます。
フランス旅行が楽しめるのは何級から?
仏検で何級を受けるかを決める目安となるのが学習時間です。仏検を主催するAPEF(公益財団法人フランス語教育振興協会)による標準学習時間の目安は以下のとおり。
標準学習時間 | レベル | |
5級 | 50時間 | 大学1年前半修了レベル |
4級 | 100時間 | 大学1年修了レベル |
3級 | 200時間 | 大学2年修了レベル |
準2級 | 300時間 | 大学3年修了レベル |
2級 | 400時間 | 大学のフランス語専門課程4年修了レベル |
準1級 | 500時間 | 大学のフランス語専門課程4年卒業レベル |
1級 | 600時間以上 | フランス語を実地に役立てる職業で即戦力となるレベル |
この表では大学での学習をレベルの目安にしていますが、誰もが仏文科・フランス語科卒というわけではありません。独学で勉強している方も多いでしょう。そんな方には、まずは3級を目指してみることをおすすめします。3級は、フランス旅行中に買い物や食事でフランス語で会話が楽しめるレベルです。
履歴書に書けるのは何級から?
上記の表をご覧になれば分かるように、「仏検5級です!」ではさすがにアピールポイントにするのは難しいでしょう。履歴書に記入できるのは、やはり大学のフランス語課程で4年間勉強したレベル、すなわち2級以上が必要だと思います。
ですが、せっかくフランス語を勉強して3級まで合格したのに、履歴書にフランス語の「フ」の字も書けないのは悲しいですよね。
実用レベルではないけれどフランス語ができるとアピールしたい場合は、資格欄ではなく趣味欄に仏検の合格級を書き込んでみましょう。思わぬところでチャンスが舞い込んでくる可能性があります。
ビジネスシーンで使えるのは何級から?
では、はたして仏検2級の合格者がビジネスで即戦力として通用するでしょうか?
正直なところ、まだ2級では厳しいかなと答えざるをえません。なぜならばビジネスシーンで求められるのは、フランス語によるコミュニケーション力だからです。
仏検は、3〜5級までは「読む」「聞く」「書く」の能力が求められます。準2級の二次試験でようやく「話す」が加わりますが、準2級や2級で求められる会話力は、日常生活レベルのコミュニケーションができる程度です。まだビジネスレベルとは言えません。準1級以上が必要になるでしょう。
会話力を高めるには?
けれども、悲観しなくても大丈夫! 最初からペラペラ喋れる人はいません。ラジオを聴いたりフランス語の動画やテレビを観たり、会話力を高める手段はいくらでもあります。
日本人は発音を気にしすぎて、フランス語で喋るのをためらう傾向があります。一方、フランス人は débat(討論)が大好き。ひるんでいてはコミュニケーションが取れません。発音は気にせず、積極的に話しましょう! それが上達につながります。
また、あまり喋れなくても、ビジネスの世界に飛び込んでしまえばフランス語で話さざるをえない環境になります。発音を気にしている場合ではなくなるので、コミュニケーション力はどんどん上がっていくはずです。
楽しみながら上達しましょう!
履歴書に書けるのは2級以上と言いました。けれども、いきなりビジネスレベルのフランス語に達するなんてそもそも無理な話。とにかくフランス語に触れて、楽しみながら上達することを目標にしてくださいね!
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執筆:こと