フランス ロックダウンなのに人通り多すぎ?の理由

2020.11.12
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フランスロックダウン

3月のロックダウンではガラガラだったパリのメトロ

11月12日(木)、フランスは10月30日から2度目のロックダウンに突入して約2週間が経ちましたが、国民の多くが前回3月のロックダウンより「緩い」と実感しています。本日予定されているカステックス首相(Jean Castex)の中間発表では、個人商店の再開が期待されていましたが、死者が増え続け、病院の逼迫が4月のピークに近づきつつあることから、「一転強化」になりそうです。

 

人通りがいつもと変わらない、通勤電車が混んでいる?

1時間の「生活必需品の買い物」時間に外へ出ると、前回は「非日常」や「ゴーストタウンみたい」と感じたものでしたが、今回は「あれ?いつもと変わらない」と感じます。普通に人が歩いているし、自転車もバンバン通り、場所にによっては道路が渋滞しています。さらに、前回は薬局やスーパー前の行列にギョッとしたものですが、買いだめの必要もないとわかっているせいか、どこでも通常どおり入店できます。

また、テレビに映る通勤列車の混雑を見ると「本当にロックダウン中なのか?」と思ってしまいます。

1日の死者400人超も、巷は「ほぼいつも通り」?

一日の死者が400人を超え、「病床の逼迫状況が日に日に悪化している」との政府発表とは裏腹に、巷では特に緊張感もなく「のんびりとした」雰囲気が漂っています。

確かに今回は学校や一部の役所は開いており、またスーパー(および食料品店)、薬局、タバコ屋に加え、今回はクリーニング屋、DIY店、パソコンなど電子機器を販売する商店は営業を許可され、個人商店も店内に客を入れなければ事前注文の受け渡しが許可されています。

とはいえ、個人の外出が許可されている時間は、前回のロックダウン同様1時間です。

6割が「ルール違反して外出」、世論調査で

調査会社Ifopが今回の再ロックダウン導入から2週間経って行った世論調査によると、60%の人が「ルールを破って外出した」と答えていますが、この数字は前回では導入から6週間が経過した後も33%に過ぎませんでした。

事態を重く見たジェラール・ダルマナン(Gérald Darmanin)内相は、今週10日に「警察の取り締まりを強化」するよう全国の県警に通達しています。

 

ロックダウンは役にたつのか?が問題

調査会社イフォップ(Ifop)は、こうした緊張感の欠如について「公園も開いてるし、開いてる店も多い」と規制が前回より緩いことに加え、外出理由における複数の例外を利用するなど、ラテン民族にありがちな「ルールと勝手に折り合いをつける」傾向に起因していると分析しています。

一方、トゥールーズ第2大学(Université Toulouse 2)心理学部の助教授、フロランス・ソルド(Florence Sordes)氏によると、フランス国民は、突然の夜間外出禁止やロックダウンの決定など、一連の新型コロナ対策発表が無秩序で「政府が迷走している」と感じているため、政府の打ち出す対策の効果に「懐疑的」になってもいると説明しています。

なぜ自分だけがルールを守る?

同氏はまた、ロックダウンと言いながら通勤電車は混雑しており、学校給食も継続されている状況で、「なぜ自分だけがルールを守らなければならないのか?」という気持ちになっている国民が少なくないと述べています。

行動制限、つまり自由を束縛されるという「大きな犠牲を払う」には、「何のために?」という意義を見出せなくてはなりません。

 

テレワーク出来るのに出社

Ifop社の発表では、テレワーク可能な職種に従事するホワイトカラーのうち「毎日テレワーク」を行なっているのは全体の5割にも及ばず、40%は出社とテレワークを交互に行い、14%は毎日出社しています。

企業によっては「テレワークで生産性が落ちる」ことを危惧して社員に出社を求めるケースもありますが、通勤による感染リスクにもかかわらず社員自ら「同僚との共同作業の継続や、自宅よりも仕事がしやすい環境を求めて」テレワークを拒否し、自発的に出社するケースが見られます。

 

終わりなきコロナ禍に悲観

2回目のロックダウンから、「平時より強い悲しみ」を感じているフランス人は全体の52%で、特に女性の60%、若者の56%、そして一人暮らしの54%に及びます。

11月に入り日照時間がいよいよ短くなり、ただでさえ鬱傾向になりがちな季節に入りましたが、コロナ禍という長いトンネルの出口は見えておらず、2回のロックダウンによる警察の取り締まりや経済への悪影響が身近に感じられるようになって、悲観傾向が強まっています。

感染リスクに加え取り締まりによる罰金の心配もあり、「ルールを守る守らない」も家庭での口論の種になっている、と調査結果は物語っています。

執筆:マダム・カトウ

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