パリ警察署襲撃 犯人はイスラム過激思想に傾倒か 警察内部の40名が監視対象に

2019.10.09
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8日(火)、先週の木曜日にパリ警察本部内で起こった4人が殺害された事件を受けて、クリストフ・カスタネ―ル(Christophe Castaner)内務大臣は国民議会(Assemblée nationale)の法律委員会の場で聞き取り調査に答え、警察内部のおよそ40名が過激思想化しているとして解雇、または監視の対象になっていると述べました。

関連記事:パリのシテ島の警察本部でナイフによる殺傷事件 4人死亡 2019.10.03

 

事件背景

3日(木)正午ごろ、パリの中心部にあるシテ島(L’île de la Cité)の警察本部内の中庭で起こった、男がナイフで警察官数名に襲い掛かり4人が死亡し、犯人がその場で射殺された事件では、当初、内輪もめが原因ではないかとみられていました。

容疑者の身辺が次第に明らかに

事件をおこしたのは、警察の情報処理部門で働いていたミカエル・アルポン(Mickaël Harpon)で、仕事上では問題を起こしたことは一度もなかっということです。

カリブ海に浮かぶフランスの海外県マルティニーク(Martinique)出身のアルポン容疑者は、およそ10年前にイスラム教に改宗していました。

イスラム過激思考に傾倒

その後の調べで、イスラム教スンニ派の中で特に厳格なサラフィー主義(英:Salafism/アラビア:السلفية)の信者らと接触し、2015年に発生したシャルリー・エブド(Charlie Hebdo)襲撃事件の際には、イスラム過激派のテロリストらに対して「よくやった」と述べていたことや、イスラム過激テロ組織イスラム国(ISIL/Islamic State in Iraq and the Levant)の動画が入ったUSBなどが押収されるなど、イスラム過激思考に傾倒していたことが明らかになってきました。

警察内の職員数十人ともコンタクトを取り合っていたとの報道もあります。

更に、アルポン容疑者の隣人が、事件の前日に「アラー・アクバル(الله أكبر/神は偉大なり)」と叫んでいたと証言しており、当初内輪もめが原因とみられていた事件は、イスラム過激主義に傾倒した犯人によるテロ事件の疑いが強まってきました。

 

アルポン容疑者支援の集会が計画される

一方で、移民や低所得者など様々な問題を抱える「郊外の代表者」と自称するアマダ・トラオレ(Hadama Traoré)氏は、今回の事件は、宗教的思想によって行われたテロ行為ではなく、アルポン容疑者が仕事上で悩んでいたことや耳が不自由だったため差別されていたことなどが、彼を今回の犯行に至らしめた原因であると主張しています。

また、10日(木)にパリ郊外北部のゴネス市(Gonesse)の市庁舎前で「政治やメディアによる誤報」について訴える集会を予定していて、Facebookで参加を呼び掛けています。

カスタネ―ル内務大臣が集会を禁止する

これに対し、カスタネ―ル内務大臣は「殉職した警官の名誉に対して卑劣で侮辱的だ」とツイートし、県知事と話をした結果、集会は禁止されたと述べました。更にその後、「刑法第40条に基づき、主催者の憎悪的な発言を検察に告発した」と続けてツイートしました。

 

今回のこの事件では、警察内部に過激主義者がいたことが浮き彫りになり、フランス全土に衝撃が走っています。また、警察内のテロ組織の存在を知らなかったはずはないとして、カスタネ―ル内務大臣に対して野党からは辞職を求める声も上がっていて、今回の事件はフランス社会に大きな影響を与えています。

執筆:Daisuke

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