必要なのは体力!? 夜通し続くフランスの結婚式

2023.01.18

フランス 結婚式 ブーケ先日フランス人の友人の結婚式と披露宴に参加しました。新年最初の投稿はおめでたい話題にしたく、今回はフランスの結婚式に関してご紹介します。

 

教会での結婚式

フランスの結婚式は市役所での署名式、教会・チャペルでの結婚式、レストランや宴会場での披露宴という順で進みます。友人の場合、市役所での署名式はすでに別のタイミングで終わらせていたので、私が参加したのは教会での結婚式と披露宴でした。

教会での結婚式は、家族や友人が見守るなかバージンロードを歩いてくる新婦を新郎が迎え、誓いを交わした後に神父が夫婦になったことを宣言するという流れです。

教会は新郎新婦どちらかの地縁血縁があるところが多いようですが、他にも2人の思い出の場所など好きなところを選べます。

晴れて夫婦になったあとは、参列者みんなが教会の外に出て思い思いに祝福をします。ここまでは日本でよく見られるチャペルでの結婚式と大きく変わりません。

チャペルでの結婚式を終えた新郎新婦にライスシャワーが

 

日本と異なるフランスの披露宴

日本と違うのは披露宴です。日本のようにチャペルと披露宴会場が近くにあることはほとんどなく、参列者は教会でいったん解散して、別の場所にある会場にそれぞれ移動します。

会場にホテルが選ばれることの多い日本と違い、レストランや自宅の庭、イベントホールなど新郎新婦が好きなところを選びます。私が今回参加したのは、フランスの地方部でよく見かけるマノワール(Manoir:邸宅、マナーハウス)でした。フランスには昔の貴族や富豪の邸宅がいたるところにあり、それがホテルになっていたりイベント会場として貸し出されたりしているのです。

マノワールには広い庭があることが多く、招待客は夕食が始まるまでアペロ(Apero:軽食と食前酒)をしながら、思い思いに庭を散策したり写真を撮ったりします。

日付が変わる頃にデザート

日本人の感覚ではそろそろお開きかなと思う頃、ようやくディナーが始まります。今回は日本と同じように10人程度ずつテーブルに分かれてコース料理を食べるスタイルでしたが、他にもいろいろな形式があるようです。

食事をしながら、新郎新婦の馴れ初めをまとめたビデオを見たり、スピーチを聞いたり周りの人とおしゃべりをしたり。そして日付が変わってそろそろ眠くなってきた頃、やっとデザートにたどり着きます。

フランス 結婚式
マノワールでの披露宴

まずは庭園でのアペロから

 

夜更けからが披露宴の本番

デザートが終わり新郎新婦によるケーキカットも終わると、いつの間にかテーブルが端に寄せられてディナー会場はダンスフロアに変わります。

この時すでに午前1時頃になっていますが、ここからが本番。親類のおじいちゃん、おばあちゃんも家族の晴れ舞台だからと踊りまくります。普段ならとっくに夢の中であろう子供たちも楽しくダンスしています。

大量のお酒と食事、しかも何時間もずっと話して声も枯れ…というタイミングで踊り始める。まるで大学生の週末のようですが、フランスの結婚式ではこれが普通だそうです。

踊り疲れたら外に出て、広大な庭で参加者たちと話しながらクールダウン。披露宴は席が決まっているため、ダンスの時間になって初めていろんな人と接することができます。

星空の下で、その日初めて新郎新婦と話しました。新郎新婦は招待客のもてなしや司会などすべてをこなさないといけないので、最初から最後まで走り回っています。お酒を飲みながらそれらをこなす二人の働きぶりにはつくづく感心しました。

夜が更けるといつの間にか会場スタッフもいなくなり、カメラマンは自撮り用のフォトブースを設置して帰ってしまいます。残るのは出席者と音楽DJと警備員のみ、という状態で踊り続けます。終了を告げる挨拶などはなく、疲れて動けなくなった人から適宜流れ解散です。

大抵の場合、翌朝にはブランチが用意されているので、みんなで食べて本当のお開きとなります。新郎新婦はこの時もテーブルを回って挨拶をし、帰って行く招待客を見送ります。

 

日本よりもリラックスした雰囲気

服装に関しては、女性は花嫁と同じ白い服は避けるという程度で特に厳しいドレスコードはありません。女性はドレスが多いですが、男性はスーツに蝶ネクタイのフルフォーマルから、タイもジャケットもなくスニーカーで参加という人までさまざまです。

プレゼントや祝儀などにも堅苦しい決まりはなく、みな思い思いのお祝いを持ってきます。持ってこない人も少なからずいます。終始リラックスした雰囲気なのがフランスの披露宴です。

 

完全に体力勝負

日本とは似て非なるフランスの結婚式。手作り感が強いため、新郎新婦にとっては日本の結婚式より大変だと思います。

また時間に縛られず一晩中続くため、招待客にとっても完全に体力勝負です。ただいろいろな人と話して友達になる良い機会でもあります。

日本よりもリラックスした雰囲気で気軽に参加できるフランスの結婚式。フランスの新たな一面を見ることができるので、機会があればぜひ参加してみてください。

フランスの結婚式についての過去記事:
フランスの結婚式《市民婚編》
フランスの結婚式《カトリック教会式編》
フランスの結婚式《披露宴は体力勝負!編》
フランスの結婚式《その他もろもろ編》

執筆 Takashi

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