2024年パリオリンピック 公式マスコット「フリージュ」発表

2022.11.15

フランス パリ オリンピック

11月15日(火)、パリオリンピック・パラリンピック組織委員会(Comité d’organisation des Jeux)は、2024年に開催されるパリ大会のマスコット「フリージュ」(”Phryges”)を発表しました。

 

フランス革命の「自由のシンボル」、フリジアン帽がモチーフ

真っ赤な胴体に青い目、フランス国旗の3色のリボンがまつ毛になっている2体のマスコットは、フランスの学校の歴史の授業で必ず習う「フランス革命」のシンボルである、赤いフリジアン帽(bonnet phrygien)がモチーフとなっています。

選ばれた理由として、「フランス人のエスプリ(精神)と歴史の一部を象徴し、国旗のトリコロールをまとうマスコットを追求した」結果であると、パリ五輪組織委員会のチーフ・ブランド・オフィサーで大会のブランドイメージ、マーケティング戦略などを担当するジュリー・マティキーヌ(Julie Matikhine)氏は説明しています。

最終決定に際しては、実際に6歳から14歳までの子供たちにサンプルを見せて選ばせるテストを実施するなど、市場調査を行っています。

 

オリンピックとパラリンピック、五輪初の共通マスコット

「フリージュ」はフランス語では”Les Phryges”と複数形になっています。

フランス人にとっても発音しにくく、綴りもわかりにくく、覚えにくい—と、フランス語を解さない外国人にとってはいよいよわかりづらいこのマスコット、一見双子のように見えますが、よく見ると1体は両足に白いバスケットシューズを履いており、もう1体の方は赤いバスケットシューズとスポーツ義足になっています。

このように2つのマスコットがオリンピックとパラリンピックの両方を象徴しているのは、2024年のパリ五輪が初めてです。

パリ大会組織委員長のトニー・エスタンゲ(Tony Estanguet)氏は、今大会を過去の五輪と比べあらゆる面で異なる「斬新なものにしたい」という意向を表明していますが、このマスコットもその一環なのかもしれません。

動物のマスコットは除外、過去の大会の3分の2で使用

パリ大会組織委員会は、当初から動物のモチーフは使わないと決めていました。テディベアなど、子供向けのぬいぐるみをイメージしたものが多く見られるからです。

フリージュくんたちを「ニワトリみたい」などとけなす人もいるようですが、彼らが過去のマスコットと比較して見劣りするとは思えません。

五輪初のマスコット、フランスのグルノーブル冬季オリンピック

ちなみに、五輪にマスコットが初めて登場したのは、1968年にフランスで開催されたグルノーブル(Grenoble)大会のマスコット「シュス」(Shuss)です。

デザイナーが締め切りまで一晩しかなく、大急ぎで作られたそうです。

過去の五輪マスコット一覧はこちら

 

フランスの中小企業2社が製造、大手スーパーチェーンカルフールなど販売

マスコットの製造を行うのは、フランスの中小企業2社ジプシー・トイズ(Gipsy Toys) とドゥドゥ・エ・コンパニー(Doudou et compagnie)です。

生産自体は中国で行われますが、ドゥドゥ・エ・コンパニー社はオリンピックマスコット受注を機に、ぬいぐるみ製造の15%をフランスのブルターニュに移転しています。

フリージュの原料のほとんどはリサイクルされたものが使用され、商品はぬいぐるみのほか、Tシャツやトレーナー、キーホルダーやバッジなど複数にわたります。

フランス国内の大手スーパーチェーンでは「カルフール」(Carrefour)および指定のおもちゃチェーン店や、昨日オープンしたパリのレアール(Les Halles)にあるオリンピック委員会のオフィシャルショップ、オフィシャル・オンラインショップでも販売されます。

 

儲かるマスコット事業、ライセンス販売の4分の1にも

大会委員会は来年8月の開催までに200万個のマスコット販売を目指しています。

マスコットは小さいもので1つ20ユーロ(約2,900円/1ユーロ=145.29円)で販売されます。

五輪のマスコット事業は、うまくいけば大会のライセンス事業の売り上げの25%を占め、1億2700万ユーロ(約185億円)にもおよぶ可能性があります。

執筆:マダム・カトウ

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