フランス コロナ第4波もうすぐピーク「再ロックダウンはない」保健相

2021.08.24

フランス新学期 感染ピークに

8月24日(火)、フランスにおける新型コロナウイルスのデルタ株による感染第4波が7月上旬に始まってから約2ヶ月が経過しました。現在1日の新規感染者数は約2万人ですが、ヴェラン保健相はあと数日で感染は「ピークを迎える」と発表し、9月2日の新学期を前に国民に注意を呼びかけています。

 

第4波のピーク、今月末から9月頭も「去年の二の舞はない」

フランスでは現在1日当たり2万人ほどの新規感染者が出ていますが、入院患者は1,800人程度に留まっており、重症者の数が昨年の感染第三波に比べ3分の1に抑えられています。

また検査数は高いままですが、感染率は抑えられています。

感染症学者アルノー・フォンタネ(Arnaud Fontanet)氏は、7月上旬にデルタ株による感染拡大が始まった時は、「どういう状況になるか全くわからなかった。当初のウイルスは一人当たりの感染力が2.9人に対し、デルタ株は6人強力な変異型が主流にもかかわらず、現時点で病院はこれまでのように逼迫しておらず、経済も回っている」とコメントしています。

 

5000万人ワクチン接種、国民の7割が少なくとも1回

ヴェラン保健相は、「ワクチンがなければ、デルタ変異種による感染拡大の影響はもっと深刻なものになっていた」と述べ、9月以降感染拡大した場合のロックダウンの可能性を「否定」しています。

現在フランスで2回の接種を完了した人は国民の60%に達しています。さらに、第4波の真っ只中にある現在おそらく25%程度の国民がすでに感染して免疫を持っていると想定されます。

フォンタネ氏は、「フランス国民の80%以上が免疫を持っていることと一連の感染抑制措置で一定の成果を出すことができ、集団免疫を獲得する余地があるため、昨年の秋のような深刻な状況に陥ることはなく、再度のロックダウンは避けられる」と述べています。

しかしながら、フランスにおける「60歳以上のワクチン接種率が低い」ことが問題だと指摘しています。現在85%〜95%にとどまる高齢者の接種率を、一部の国のように100%近くまで上げなければなりません。

 

感染源は学校、9月2日からの新学期、どうするか?

第四波の感染のピークは今月末から9月頭と想定されていますが、この時期がフランスの学校では新学期の開始と重なります。昨年は9月末から爆発的に感染が拡大し第二波となりました。

パスツール研究所は、この秋の新規感染者の半数は子供達の間で広がると予測しています。これは12歳未満はワクチン接種の対象になっていないからです。

子供向けのワクチン接種が可能になるのは2022年以降と言われており、現在は打つ手がないのでしょうか?

これに関してフォンタネ氏は、「デルタ株への対策は今までと同じでは不十分」で、教室の定期的な換気やマスク着用に加え「空気清浄機の設置も念頭に入れた方がいい」とコメントしています。

濃厚接触児童の扱い「区別」に批判の声も

新学期からの学校における感染対策に関して、陽性の生徒が一人でも出た場合は学級閉鎖を行う措置については以前と同様です。

今年の新学期から変更されたのは濃厚接触者に関する対応で、ワクチンを接種している学生に関しては引き続き授業への参加が許可されますが、未接種者は1週間自宅で遠隔授業を受けることになります。

これに関して、父兄からはワクチン接種の有無で生徒を「差別している」という批判の声も上がっています。

フォンタネ氏はドイツやオーストリア、イギリスなどですでに導入されているシステムを踏襲して、フランスでも週2回学校で唾液によるテストを実施すべきだと主張しています。

フランス教育相ジャン=ミッシェル・ブランケール(Jean-Michel Blanquer)は、フランスの小学校の50%がすでにこのテストを導入しており、新学期から週に60万回のテストを実施することを約束しました。

執筆:マダム・カトウ

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