6月26日(金)6時25分、3ヶ月間閉鎖されていたパリのオルリー(Orly)空港再開第一便が、ポルトガルのポルトへ向けて飛び立ちました。まら、明後日の28日には、フランスの地方選挙の第2回決選投票が行われます。
平常時の10%ほどの運行
フランス全土のロックダウンに伴ってパリ発着便がほとんどキャンセルになったことから、3月31日にパリ南部にあるオルリー空港は閉鎖され、以後3ヶ月間パリの空港はシャルル・ド・ゴール(Charles de Gaulle)空港のみとなっていました。
ド・ゴール空港に次いでフランス第二の空港であるオルリー空港では、フランス国内線を中心に中近距離、アフリカ線など一日に約600便が発着し、一日約90,000人が利用していました。
再開初日の今日は、コルシカ(Corse)、欧州圏内、フランス海外県(départements et territoires d’outre-mer)行きなど70便が、8つの航空会社(Air Caraïbes, Air Corsica, Air France, Amelia, Corsair, French Bee, Transavia et Wizzair)により運行され、約8,000人の乗客が見込まれています。
夏休みに入る7月上旬からは一日173便の発着が予定されていましたが、フライトの増便は北アフリカの国々を中心とした国境再開がどの程度進むかに左右されます。
ターミナル3のみオープン
発着便が少ないことから、現在4つあるターミナルのうち、昨年工事が終わったばかりのターミナル3のみがオープンしています。そのため、ターミナル内にある127の商店も利用客の数に応じ、徐々に再開していくことになります。
空港内には150の消毒ジェルが置かれ、チェックインカウンターや窓口にはアクリル樹脂の仕切りが設置されています。また、到着した乗客全てにセンサーによる体温測定が行われます。
さらに預かり荷物にもUVを利用したウイルス殺菌システムの導入が進められていますが、これは現在テスト中です。
空港公団(Aéroport de Paris : ADP)は安全管理に細心の注意を払うとともに、利用客へ安心感のアピールも図っています。
パリ市長選、《3人の女》の戦い
第一回投票がロックダウン直前の3月15日に「強行された」と政府に非難が集まった今年の地方選挙は、この日曜日(28日)に第二回投票が行われます。
パリ市の決選投票は、現役で社会党(Parti socialiste)のアンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)、サルコジ大統領時代に法務大臣を務め、現在パリ7区の区長、共和党(Les Républicains)候補のラシダ・ダティ(Rachida Dati)、現政権の前連帯・保健大臣(Ministre des Solidarités et de la Santé)で与党国民前進党(La République en marche)候補のアニエス・ビュザン(Agnès Buzyn)という3人の女性間で争われます。
第一回投票を29,33%とトップで通過した現役のイダルゴ候補は、同じく左派のヨーロッパ・エコロジー=緑の党(Europe Écologie – Les Verts)との連帯でさらに 10,79% が加算され、再選が有力視されています。
二位で通過した右派のラシダ・ダティ氏は24,53%、三位のビュザン氏は17,53%と上位二候補に大きく引き離されています。
現役のイダルゴ氏はパリ初の女性市長でしたが、今回の選挙で誰が当選しても二代続いてパリの市長は女性ということになります。
パリのほか、マルセイユ(Marseille)、リヨン(Lyon)、トゥールーズ(Toulouse)、リール(Lille)など、フランスの多くの大都市でも第一回投票で過半数を獲得した候補がおらず、28日に第二回決選投票が行われます。
執筆:マダム・カトウ