パリ ノートルダム寺院広場と庭園の改造 温暖化考慮した案に決定

2022.06.28

パリ ノートルダム寺院広場と庭園の改造 温暖化考慮した案に決定

6月28日(火)、2019年4月の火災から3年が経過し、すでに修復工事が進むパリノートルダム寺院では、寺院前の広場と裏庭、地下駐車場など寺院の外側の改造案の入札が行われていました。この度、温暖化を考慮したベルギーの造園事務所の案が採用されたと、イダルゴ市長(Anne Hidalgo)が発表しました。

 

木陰を増やすなど、温暖化を考慮

昨日27日、イダルゴ市長は、ブリュッセルにあるバ・スメッツ(Bas Smets)造園事務所が提案した、ノートルダム寺院の庭園などの外回りと地下駐車場の改造案を採用したと発表しました。

選考はパリ市および公共建築物ノートルダム寺院再建委員会(EPRNDP)、パリ大司教区から選ばれた選考委員により行われました。

最終選考に残った4社の中には、パリ3区にある都市改造のグロー(GRAU)事務所、パリ11区の建築事務所ヌフヴィーユ=ガイエ(Neufville-Gayet)などがありました。

 

 

樹木に囲まれ、猛暑時の訪問に配慮

バ・スメッツ社の案では、ノートルダム寺院の敷地全体が樹木で囲われ、寺院の前の広場は林の中にぽっかりとあいた空き地のようになります。

パリ市によると、改造計画では現存する樹木を全て残し、さらに131本が追加で植えられます。これにより敷地内の緑地は36%増える事になります。

広場は雨水など水の流れを利用した設備を設置する事で、猛暑時には訪問者に涼をもたらす事が可能になります。

地下駐車場が遊歩道に

寺院の裏庭にはセーヌ川と寺院を結ぶ芝生の庭がつくられ、そこからゴシック建築の飛び梁やステンドグラスなどを眺める事ができます。

パリ市、中央区(Paris Centre : 旧1〜4区)のアリエル・ヴェイユ(Ariel Weil)区長は、「ようやく寺院からセーヌ川に導くための中庭ができる事は喜ばしい」と評価しています。

駐車場だった地下は、ビジターセンターが設置されるほか、セーヌ川を眺める事ができる遊歩道が作られ、そこから古代の礼拝堂にアクセスできるようになります。

 

2024年ノートルダム寺院再開で公開、最終工事完了は2027年、

ノートルダム寺院の再開は2024年の第二四半期、4〜6月ごろの予定になっています。広場や裏庭などもそれに合わせる日程で工事が進められます。ただし、今回の改造計画のすべての工事完了は2027年になる予定です。

工事費用、パリ市が全額負担

パリ市は5千万ユーロ(約72億円/1ユーロ=約144円)にも上る工事費用を全額負担します。

今回の改造計画には、フランス国内外を問わず入札が行われました。

なかでも今回採用されたバ・スメッツ事務所は、アルルにあるリュマ・タワー(Luma Parc des Atéliers)の公園、ブリュッセル市中心部の再緑地化を受注するなどで注目されています。

パリ市のサイト(フランス語)

執筆:マダム・カトウ

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