ミシュランレストランガイド2021版、発表 コロナ禍でも《評価基準》変えず

2021.01.19

ミシュランレストランガイド2021

2021年1月19日(火)、コロナ禍のフランスでレストランの休業が続く中、18日(月)ミシュランガイドは2021年のフランス版レストランガイドを発表しました。

 

著名レストランガイドで唯一「評価基準」を変えず発表

2020年、フランスのレストランはコロナ禍で140日間の閉店を余儀なくされたことから、フランスの著名レストランガイド「ゴー・ミヨ」(Gault et Millau)は「コロナ禍での社会貢献やイノベーション性」を評価の前面に出し、「ラ・リスト」(La Liste)はコロナ禍にめげずに営業して「頑張っている」レストランを評価することにしました。

イギリスの著名レストランガイド「世界のベストレストラン50」(50 Best)は、「今はレストランの評価をしている場合ではない」と2021年版を見送りました。

そんな中で、世界で最も由緒あるレストランガイド、ミシュラン(Guide Rouge)だけが「従来通りの査定」で2021年版を発表しました。

コロナ禍での発表、レストランに「エールを送る」

今年度も《通常通り》の星付きレストランの発表を行うことは、「危機的な状況にあるレストラン業界を支援する意味でも重要だ」とミシュランガイドのダイレクター、グゥエンダル・プレネック(Gwendal Poullennec)氏は語っています。

2021年版は発表に値するか?

一方、グルメ評論家のエマニュエル・リュバン(Emmanuel Rubin)氏はフランスの有力紙ル・フィガロ(Le Figaro)の紙面で、今回発表されたレストランの評価は、2020年の「半年間は休業、残りの半年間はコロナ感染予防対策を強いられた」異常な状況下で行われていることを指摘しています。

また、「評価基準の不透明さ」や「試食がどんな状況下で行われたか?」などの批判もあるミシュランレストランガイドを「この時期に発表する必要があるか?」といった疑問が起こるのではないかと示唆しています。

 

2度のロックダウンの「合間に」試食、既存3ツ星格下げなし

2020年はレストランがオープンしていた期間が短かったことについて、ミシュランのプレネック氏は「6月からの段階的な再開から10月末の2度目のロックダウンまでという夏の間に、調査員はバカンスも返上して覆面試食を行った」と語っています。

コロナ禍の集客減に対応するためか「コンセプトを変更した」レストランが一部格下げになっていますが、3ツ星レストランに関しては、今年は格下げになったレストランはありません。

ミシュランは「2020年も従来と同じ回数の試食を行った」と発表しており、「コロナ禍でも通常通りの評価を行った」ことを強調しています。

 

2021年、初の3ツ星獲得、アレクサンドル・マッジア氏

今年新しく3ツ星を獲得したのは、南仏マルセイユ(Marseille)にあるアレクサンドル・マッジア(Alexandre Mazzia)シェフのレストラン”AM”です。

ミシュランガイドは「この店で食事ができる幸運な人は、唯一無二の味覚の冒険に連れて行かれ」、「今のような状況でなければ旅行の話でもしたくなるような気分になり」さらに「完璧なサービスが料理のレベルを上げている」と評しています。

本来ならコニャック(Cognac)で発表パーティが開かれるはずでしたが、パリエッフェル塔での発表がYouTube(下記)で配信されたのみとなりました。

※レストランAM

※2021年ミシュランレストランガイドー新しく星を獲得したレストラン一覧

執筆:マダム・カトウ

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