選挙権を18歳から16歳に引き下げ、パリ市でテスト投票を開催

2019.04.11

選挙

4月11日(木)、パリ市長アンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)氏はル・モンド紙(Le monde)のインタビューに答え、5月26日(日)に行われるヨーロッパ議会選挙に前後して、16歳から17歳の学生を対象に同選挙のテスト投票を行うと発表しました。

 

若者に自らの将来のために政治参加を促す

イダルゴ市長は、「昨年から始まった環境保全をうったえる金曜の学生スト(grève scolaire pour le climat)(注)ひとつをとってもわかるように、今の若者は非常に明晰」で、「16歳は民主主義に参加するのにふさわしい年齢」とし、選挙権年齢を16歳に引き下げる案への支持を表明しました。

市長はできるだけ多くの若者に政治参加を促すため、パリ政治学院(Institut d’Etudes Politiques de Paris、通称:Sciences Po)の協力の下、今回のテスト投票を開催すると発表しました。

フランスの若者も(他のEU加盟国の若者同様に)「ヨーロッパの将来にとても関心が高い」ことから、来月5月26日のヨーロッパ議会選挙に平行して開催することで、学生たちに選挙への参加をリアルに体験してもらいます。

パリ12の高校でテスト投票

テスト投票はパリ市内12の高校に通う生徒たちを対象に実施され、欧州議会選挙の投票日の数日前に、各学校に実際の投票所さながらに投票箱や記載台を設置して行われます。

選挙結果は、当然ながら実際の結果集計に加算されることは無く、本物の選挙結果の発表を待って公表されます。

2020年のパリ市議会選挙で再選をねらうイダルゴ市長による「新しい有権者獲得キャンペーンの一環ではないか?」との質問に対し、市長は「フランスの民主主義が機能し、国家の安泰を願っているだけだ」と、今回のテスト投票の主旨を強調しました。

注)Youth for Climate:2018年8月にスウェーデンで起こった環境保全をうったえる学生の抗議運動。金曜日に学校を休んでデモに参加することを呼びかけたのが始まり。ベルギーに飛び火し、大きなムーブメントに発展。今年3月19日には世界123カ国で2000以上の抗議デモが行われました。

執筆:マダム・カトウ

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