8月7日 フランスの猛暑 各地で40℃近くになるもピークは越える

2018.08.08

ヨーロッパ南部を中心に猛威を振るっている猛暑によって、昨日(7日・火)にはフランス中部のブルゴーニュ(Bourgogne)では40℃を記録するなど、異常な高温状態が続いていましたが、猛烈な暑さのピークは越え、今日は昨日より一気に10℃ほど下回る気温が予想されています。

 

暑さによって原子力発電所の原子炉停止

ヨーロッパ南部では記録的な猛暑に見舞われていて、4日(土)にはポルトガルで最高気温が46℃を超え、同日にスペインでは44℃を記録し、暑さの為3名が命を落とすなど、日本と同じく危険な暑さが続いています。

フランス東部のドイツとの国境の街、フェッセンアイム(Fessenheim)のフェッセンアイム原子力発電所(Centrale nucléaire de Fessenheim)では、4日に原子炉の運転を一時停止させました。フェッセンアイム原子力発電所は、原子炉の冷却水にアルザス大運河(Grand canal d’Alsace)の水を利用していますが、老朽化の進む発電所内には冷却塔が設置されておらず、原子炉の熱によって温められた冷却水が、およそ30℃という温水のままライン川に放出されています。これが川の温度を上昇させ、生態系へ悪影響を与える恐れがあることから、運転を停止させました。

フェッセンアイム原子力発電所は、現在フランス国内で稼働している最も古い原子力発電所です。

 

火曜日、各地で危険な高温に

猛暑は昨日ピークを迎え、フランス中部を中心に東部や北部が35℃~40℃と猛烈な暑さに見舞われました。

 

また、火曜日の午後には、北西部からの湿った冷気とフランス上空の熱せられた空気がぶつかり、各地で雹を伴って激しい雷雨となりました。50の県に対して、猛暑、もしくは雷雨に警戒するため、日本の警報にあたるVigilance orangeが発令されました。

Vigilanceは日本の注意報や警報にあたり、Météo France(フランス気象局)が発令しています。

8日の午前0時に発表されたVigilance   Météo-France より引用

 Vigilance rouge 特別警報
■ Vigilance orange 警報
■ Vigilance jaune 注意報
 Vigilance verte (Pas de vigilance) 特になし

 

救急隊の出動は通常時より2~4パーセント増

アニェス・ビュザン(Agnès Buzyn)保健相は、今回の猛暑による救急隊の出動数は、通常より2~4パーセント増えた程度で、最小限に抑えることができた、と述べました。

ビュザン保健相は、「国の猛暑対策はうまく機能した」と強調し、「医師や看護師、理学療法士などは彼らの患者や家族らといち早くコンタクトをとったり家を訪問するなどして、熱中症や脱水症状をかなり初期の段階で治療することができたため、重症化した患者はそれほど多くなかった」と述べました。

しかし、今回の猛暑による救急搬送や重篤者の統計はまだ出ていないため、ビュザン大臣のこの発言は楽観的だ、との声も上がっています。

 

水曜日は一気に10℃以上気温が下がる予報

昨日までの猛暑とは打って変わり、本日(8日・水)は、フランス各地で気温が30℃を下回るところがほとんどで、昨日40℃を記録したブルゴーニュでは、最高気温が28℃と、昨日から12℃も気温が下がるものと見られます。

8日の天気と気温 Météo-Franceより引用

パリの今日の最高気温は27℃とかなり過ごしやすくなりそうです。
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執筆:Daisuke

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