フランスの新年に欠かせないガレット・デ・ロワ、バター高騰でどうなる価格

2025.01.03

2025年1月3日(金)、新年早々毎年6日にキリストの洗礼を祝う公現祭、このお祝いに欠かせないお菓子「ガレット・デ・ロワ」(Galette des Rois)が今年もフランス各地のパン屋やケーキ屋では約1か月間販売されます。バターの高騰で値上げが懸念されますが、年間で最も人気のお菓子の値上げはタブーと価格据え置きの店が多いようです。そうかと思うとお客様に感謝の意を込めて、ダイヤの指輪が当たるフェーヴ(fève)を仕込んだパン屋さんもいます。

 

フランスで毎年6000万個売れる「ガレット・デ・ロワ」、原料高騰の波

パイ皮の中にフランジパン(frangipane)と呼ばれるアーモンドクリームが詰められたとても人気のお菓子、美味しいだけでなく、中にフェーヴと呼ばれる陶器の人形が隠されており、切り分けてもらった中にこの豆人形が入っていた人は王冠を被って王様(または王女様)として祝福を受け、幸運な1年を過ごせると言われています。

バター価格1年で40%上昇

フランス人が大好きなこのパイ、原料の半分近くを占めるバターの価格が1トン当たり5,500ユーロ(約89万円/1ユーロ=約162円)から8,000ユーロ(約130万円)と、過去1年間で実に40%も値上がりしています。さらに人件費、光熱費など製造コストが値上がりしていますが、「パン屋は価格に転嫁することをせず、利益を減らしている」とフランスパン屋・パティシエ連盟(Fédération des entreprises de boulangerie-pâtisserie)代表ポール・ボワヴァン(Paul Boivin)氏は説明しています。

卵、鳥インフルエンザで生産量減

ガレット・デ・ロワはスーパーのパン・ケーキコーナーで大体小さいもので4ユーロ(約650円)大きいもので12ユーロ(約1,950円)、パン・ケーキ屋では大きいものが17ユーロ(約2,800円)~30ユーロ(約4,900円)で販売されていますが、年に1回、4~6週間だけ販売されるため、値上げされたとしても気づかない消費者も多いことも確かです。

バターはガレットの中に挟んであるアーモンドクリームの約25%、外側のパイ側の原材料の約半分を占めています。

パン屋の売り上げに占める原材料の割合が23%だったのに対し、現在売り上げの26%~28%を占めています。

さらに昨年の夏100個当たり10ユーロ(約1,620円)だった卵も、現在14ユーロ(約2,270円)に跳ね上がっています。

ガレットにダイヤの指輪

北フランスの小さな町ヴィーユ・サー(Villes Sœurs)のパティシエと宝石店が協力し、ガレットの中にフェーヴではなく引き換え用のコインを忍ばせました。このコインと引き換えになんと1等は18カラット、1,349ユーロ(約219,000円)相当のダイヤの指輪がもらえるという懸賞付きガレットを販売し話題になっています。

今月600枚焼くガレットのうち8枚に「当たり」が隠されていますが、店に買いに来た村人の関心はなにより「おいしい」と評判のガレット・デ・ロワにあるようです。

個人商店には非常に厳しい1年でしたが、店主いわく「店が存続できるのはお客様のおかげだから」と懸賞付きを思いついたとか。

皆さまにとって幸運な1年になりますように!

執筆:マダム・カトウ

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