パリでサロン・ド・ショコラ閉幕 今年もビーン・トゥー・バーに注目

2022.11.02

フランス チョコレート

10月28日(金)から11月1日(月)まで、フランスのパリではチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ(Salon du chocolat)」が開催されました。高さ4メートルのチョコレートのオブジェが設置されるなど、今年も盛り上がりました。

 

世界規模 チョコレートの祭典

「サロン・デュ・ショコラ」は、1995年にパリで開催されて以来、アメリカ、ロシア、レバノン、韓国、中国など世界各地に広まったイベントです。

日本でも2000年から開催される、大好評のイベントです。ここ数年はコロナウイルス感染症の拡大でフランスなどへの渡航が難しく、サロン・ド・ショコラでしか買えないブランドが勢揃いすることで人気を集めていますね。

 

2022年パリのサロン・デュ・ショコラ

このイベントの開催にあたり、例年通り、老舗ブランドからカカオ生産者までが、見本市会場ポルト・ドゥ・ヴェルサイユ(Porte de Versailles)に集まりました。

中でもアーティストやショコラトリーが作り上げるモニュメントは圧巻です。今年はフォション(Fauchon)グループのエグゼクティブ・パティシエを務めるフランソワ・ドビネ(François Daubinet)氏による3Dのオブジェが設置されました。

このオブジェには合計150キロのショコラが使われ、ドビネ氏は丸2日かけて組み立てとデコレーションを行ったそうです。

ショコラをつかったファッションショー

また、恒例の「ファッションショー」も多くの観客を集めました。毎年、ひとつのテーマに沿って、ショコラでできた衣装を着たモデルがショーを行います。

今年のテーマは“Excellence in the service of glamour”です。”glamour”は、50年代ハリウッドに発想を得たファッションのスタイルです。

国家最優秀職人章(Meilleurs Ouvriers de France, MOF)の一人であるパスカル・ブリュンシュタイン(Pascal Brunstein)氏がスペイン系ブランドであるパコ ラバンヌ(paco rabanne)にインスピレーションを得て創作したドレスなどが注目を浴びました。

ますます注目「ビーン・トゥ・バー」

昨年につづき、ショコラティエが関心を示したのは、カカオの生産地からショコラの制作までを一貫して行うという「ビーン・トゥ・バー(英bean to bar, 仏de la fève à la tablette)」のコンセプトです。

環境問題や人権問題への意識の高さは、ショコラにも反映されています。

モロッコ出身で、モデルからショコラティエに転身したというアスナ・フェレイラ(Hasnaâ Ferreira)氏は、カカオバターを入れず、濃厚なタブレットをつくり注目されています。

このタブレットは、カカオ分が60%と、本来なら「ミルクチョコレート」に分類される材料で、「ダークチョコレート」のようなカカオの味わいを実現したそうです。

このように、現在のショコラ界は、高い品質を保ちつつ、ショコラにかかわる問題の解決に取り組んでいます。

 

日本のサロン・デュ・ショコラ

サロン・ド・ショコラは、日本各地でも例年1月末〜2月中旬にかけて開催されます。

今年はまだ情報が出ていませんが、12月末におそらく発売される「公式ムック本」をゲットし、来日するショコラティエの情報を事前に集めて備えましょう!

執筆あお

参照
SALON DU CHOCOLAT 2022 公式HP

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