フランス 11月から何が変わる 補助金、電気製品の【修理指数】表示など

2022.11.01

11月1日(火)、11月よりフランスでは厚生年金の給付レート、一人親家庭への給付金の増額が行われます。またエネルギー補助の一環として、本格的な冬の到来を前に灯油暖房を利用する家庭への補助金の支給され、ガソリン補助も延長されます。フランスでいち早く導入されている電気製品の修理指数が、新たに洗濯機などに義務付けられます。

 

厚生年金給付レート5%増、一人親家庭支援金大幅増

フランスの厚生年金(Agirc-Arrco)は給付額の計算レート11月1日付で、現在の1.2841ポイントから1.3498ポイントと5.12%値上げされされました。

フランスの年金はポイント制になっており、現役時代に支払った掛け金の額と年数でポイント数が決まります。それにこの給付レートをかけることで年間の支給額が確定します。

今回の改正で、年金受給者のうちのおよそ13,00万人が支給額増額の恩恵にあずかります。

一人親家庭への給付金50%アップ

母子家庭、または父子家庭のうち、養育費の支払いを受けていない家庭に支給される家庭支援金(allocation de soutien familial (ASF))は実に50%増額され、児童一人当たり現在の122.93ユーロ(約17,980円/1ユーロ=約146.28円)から184.41ユーロ(約26,900円)になります。

受給対象となる80万の家庭に、12月の支給から自動的に新しい額で入金されます。

 

灯油暖房補助、1600万戸が対象

今月8日から、フランスの約1,600万戸を対象に100ユーロ(約14,600円)〜200ユーロ(約29,300円)の灯油暖房小切手が支給されます。

対象者は例えば、最低賃金で働く一人親家庭の場合200ユーロ相当が、月収3,000ユーロ(約438,000円)で子供2人の家庭は100ユーロ相当が配布されます。

低所得家庭へのエネルギー支援は、すでに年末に配布が予定されている特別支援小切手、および毎年春に支給される暖房支援小切手と複数あり、灯油のみならずガスや電気の支払いにも利用することができます。

 

ガソリン補助、リットルあたり30セント継続

ガソリン代の高騰により現在導入されている政府の補助は、11月1日より減額が予定されていましたが、今月15日まで1リットルあたり30セント(約44円)のまま延長されます。

それ以降は、12月末までリットルあたり10セント(約14円)の補助が継続されます。

製油所のストが続くトータル社(TotalEnergies)は、同社のガソリンスタンドでリットルあたり20セントの割引を、今月15日まで継続すると発表しています。

 

電気製品の【修理可能指数】、洗濯機、食器洗い機なども対象に

フランスはエコロジー政策の一環として、電気製品をより長く使えるようにするための「修理可能指数」(l’indice de réparabilité)を他国に先立ち導入しています。

「修理可能指数」とは、電気製品を0〜10指数でその修理の「容易性」で評価するものです。

修理がより容易である製品は10、取り替え部品を生産していない、溶接して取り外しが困難など、修理不可能な製品は0になります。

2021年に導入された「修理可能指数」は、すでにドラム式洗濯機、テレビ、スマホ、ノートパソコン、芝刈り機に導入され、修理が容易に可能、修理が可能、もしくは不可能という情報を購入時に消費者に提供しています。

導入の目的は、消費者が「より長く使える」点を製品を選ぶ基準に入れることで、メーカー側により修理可能な製品を作る努力を促すことです。

大手メーカーは協力的、ドラム式洗濯機、平均7点以上

今月4日から新たに導入されたのは、ドラム式に比べ価格帯が安い縦型洗濯機、食器洗い機、掃除機、掃除ロボット、水圧掃除機などです。

ちなみに導入から1年間で約1,000の製品に指数が表示されています。うちドラム型洗濯機の指数は平均7.2とまずまずの数字になっています。

執筆:マダム・カトウ

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