日本人の目の色は、濃い茶色か黒が多いですよね。なので、生活の中で目の色を意識することはあまりないかもしれません。カラーコンタクトはあるものの、それはあくまでもファッションの一つです。多様なルーツを持つ人たちが暮らすフランスでは、唯一無二のものとして私たちが思っている以上に目の色が意識されているようです。今回は、フランス人の目の色へのこだわりや、自分の目で作るオリジナルアートなどについてレポートします。
フランスのパスポートには目の情報も必要！
海外旅行の際、なくてはならないのがパスポートです。実はフランスのパスポートの記載事項には、二つの特徴があります。それは…
１．身長
２．目の色
上記の「目の色」は一人ひとりが持つ唯一の特徴であると言われ、日本でいうと指紋と同じような役割を果たしているようです。70パーセントのフランス国民の目の色は茶色といわれていますが、パスポートには基本色としてブルー、グリーン、マロンの記載があり選択ができます。
私の家族のパスポートを確認したところマロングリーンという記載があり、その人自身の目の色の状態で表記されることがわかりました。(その前のパスポートは、ノワゼットグリーンとなっていました。)
色のバリエーションがあるからこそ、フランス人は目の色を強く意識をするのかもしれません。
じわじわと流行中？私の目をアート作品に！
フランスには、特殊な機械で自分の眼球の写真を撮り、観賞用にプリント加工してくれるサービスがあります。
私がリヨンの街をぶらぶらと散歩していたときのことです。ガラス張りのお店に、頻繁に人が出入りしているのに気が付きました。壁にはアート作品が何点か飾ってあり、お客さんはお店の中央にある機械とパソコンの周りに集中しています。そして、お店から出てくる人は、大きな封筒のようなものを抱えていました。
「一体、何のお店だろう？ギャラリーにしては少し殺風景な印象。レントゲンとかを撮るラボかしら？それにしては洒落た内装だけど」と、一緒にいたフランス人に聞くと、「あれはね、自分の眼球の虹彩を撮影して、観賞用に作品にしてくれるサービスをしているところだよ。」と言うので、私はびっくりしました。
拡大された眼球は美しく、一つの宇宙を表現しているよう。さまざまな色が混じりあい、目の色はこんな奥深く美しいものなのだと感じました。
カップルでお互いの眼球写真を組み合わせてもらうこともできるので、記念のプレゼントとしてもじわじわと人気に！同じ目の色は二つとないので、完全にオリジナルのアート作品が完成です。
自分の目をアートにするアイディアは、目の色とアイデンティティが繋がっているからこそ生まれた発想かもしれません。
フランス女性のメイクポイントは目にあり！
フランス女性を見ていると、全体にメイクを施すというよりアイメイクに一点集中しているようです。マスカラ、アイライナーは必需品で、ファンデーションやリップよりもまずは目元！目の美しさが際立つようにアイライナーをいれ、たっぷりのマスカラで目力をアピールすることが基本です。
フランスでは、エレベーターや道端で知らない人とすれ違ってもあいさつすることが多くあります。そのとき、必ず相手の目をみてあいさつをするので目元を素敵に見せるのは身だしなみの一つなのかもしれません。
まとめ
フランス人にとって目の色は、自分のアイデンティティを表す大切なパーツだと感じられたのではないでしょうか。メイクに関していえば、シミを隠したり欠点カバーに走りがちですが、フランス女性は個性の象徴である目を美しく見せることが最優先！私たち日本人も、目の色や目元の美に意識を向けて生活してみるのもいいのかもしれませんね。
執筆 YUKO
