現役アーティストがパリでおすすめの美術館をご案内するシリーズ3回目は、「ルイヴィトン財団美術館」と「グラン・パレ国立ギャラリー」です。パリの古きと新しきを感じられるのが、この二つの美術館。今回はその魅力について紹介していきます。
5)ルイ・ヴィトン財団美術館
ルイ・ヴィトン財団美術館(Fondation Louis Vuitton)は、ファッションブランド「ルイ・ヴィトン」の財団によって建てられた美術館です。
パリの西郊外にある閑静なブローニュの森を抜けると突然姿を見せる、アーティスティックな建物のインパクトに驚くことでしょう。その斬新な外観に思わず写真を撮ってしまうかもしれません。
同館を設計したのは、アメリカ人建築家のフランク・ゲーリー。彼は19世紀フランスにおける鉄とガラスの建築からインスピレーションを受けており、近隣の森と庭園に囲まれた自然空間とも溶け込むように設計しています。建物の形は、光と鏡の反射に浮き上がるヨット・船をイメージしたものです。
外観のイメージとは裏腹に内装はとてもシンプル。無駄のない空間に現代アートがバランスよく展示されています。またコンサートホールも備え付けられており、クラシックコンサートなどを随時開催しています。
現代アーティストの作品が豊富
所蔵作品は現代アート作家が中心のラインナップです。アルベルト・ジャコメッティ(Alberto Giacometti)、ヴォルフガング・ティルマンス(Wolfgang Tillmans)などのほか、草間彌生や村上隆など日本人アーティストの作品もあり、現代アートを堪能することができます。
ルイ・ヴィトン財団美術館は、歴史あるパリにあって現代を感じることのできる場所のひとつといえるでしょう。
オリジナル・グッズもぜひ
私が訪問した当初は、完成したばかりということもあって観光地化される前だったのですが、現在ではヴィトンの圧倒的ブランド力により観光客が多く訪れているようです。
ミュージアムショップではルイ・ヴィトン美術館のオリジナル・グッズも購入できます。ぜひ「Fondation Louis Vuitton」のロゴ入りキーホルダーを手にとってみてください。
6)グラン・パレ国立ギャラリー(グラン・パレ美術館)
グラン・パレ国立ギャラリー(Galeries nationales du Grand Palais)は、年間を通していろいろなジャンルの展覧会が行われている美術館です。
人気のある展覧会や休日はすぐに長蛇の列ができるほどの混みようなので、ウェブ予約購入をしていくことをおすすめします。私は並んで待つのが嫌だったので、在仏時はほとんどウェブ予約をしてから行っていました。
同じパリ市内にあるプティ・パレ美術館やルクセンブルク美術館は姉妹館です。余裕があればこちらもぜひ訪れてみてください。
歴史的建造物として指定
グラン・パレは1900年のパリ万博のために建てられ、歴史的建造物として指定されています。アール・ヌーヴォー調の建築様式は当時を想起させてくれます。
美術館自体は当時の文化相アンドレ・マルローの要請により、建物内の東側の一部を改装して1964年に開館しました。
公募展も豊富に開催
グランパレ国立ギャラリーでは一般の公募展も毎年開催しており、サロン・デ・アンデパンダン展や、マティスやピカソも出展していたサロン・ドートンヌ展は有名です。
実は私も2015年のサロン・ドートンヌ展に入選し展示していただいたこともあり、私にとって思い出深い美術館の一つです。
「現代アート」と「アール・ヌーヴォー建築」
今回は「パリでおすすめの美術館10選」のうち、時代の最先端を体感できるルイ・ヴィトン財団美術館、建物で1900年前後のパリを垣間見ることのできるグラン・パレ国立ギャラリー。対照的ですがいずれも見逃せない美術館です。
現地を訪れる際は、美術館ができた経緯についてもチェックしてみてください。作品鑑賞のスパイスとなり、より見識が深まるでしょう。
もし機会があれば、グラン・パレ国立ギャラリーでは、ウェブ予約購入に挑戦してみてください。スムーズに鑑賞できて、ちょっとしたフランス語の勉強にもなり達成感を味わえるかもしれません。
それでは、Bonne Visite!
執筆 KEIJI
Instagram:@jjs_portrait
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