海外からの観光客不在で人気まばらなルーブル美術館(5月24日、筆者撮影)
6月4日(金)、EU加盟国および新型コロナ感染がコントロールできているオーストラリア、韓国などから、ワクチン接種済みの観光客の受け入れが6月9日(水)より開始されます。インド型変異種の感染拡大が懸念される英国は今回の枠から外されていますが、感染者の少ないグリーン・ゾーンに指定される日本からは観光目的の入国が自主隔離なしで可能になります。
約1年ぶりに観光客受け入れ
観光など不要不急の入国が昨年3月20日から禁止されていたEU加盟国27カ国は、6月9日よりEU圏外からの観光客受け入れを再開します。
それまでに受け入れる国のリストを確定しますが、吟味の対象になるのは、過去14日間の感染者数が人口10万人に対し75人未満の国となります。
すでに現時点で決定しているのは、グリーン・ゾーンと呼ばれるリスクの低い国で、EU加盟国27カ国およびスイス、オーストラリア、ニュージーランド、ルワンダ、韓国、イスラエル、レバノン、シンガポール、タイ、日本となります。
これらの国の人はEUで認可されているワクチン(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ジャンセン)の2回接種(ジャンセンは1回のみ)を終えていることを条件に、入国前のPCR検査もしくは抗原検査、および入国後の自主隔離が免除されます。
日本からも接種なしで観光目的の入国が可能に
人口10万人における過去14日間の感染者が64人と低く、グリーン・ゾーンに含まれる日本も2日の時点で対象国のリストに入っています。
ワクチン接種が先進国の中で最も遅れており、現在2回の接種を終えた人が人口のわずか2.5%しかなく、47都道府県中10の自治体には現在も緊急事態宣言がしかれる日本ですが、ワクチン接種なしでも観光目的でのフランス入国が可能になります。
接種を終えていない人は、他のグリーン・ゾーンの国々同様、出発72時間前に行ったPCR検査または抗原検査の陰性証明が必要ですが、到着時の空港での検査や7日間の自主隔離は免除されます。
ただし、各国の状況は変わるため、過去14日間の感染者数などにより、48時間前に変更が入る可能性があります。
※詳細は、日本政府の渡航情報をご確認ください。
インド変異種警戒で、ワクチン接種率高いイギリスからの入国「より厳しく」
ワクチン接種が欧州内で最も進み、日によっては1日の死者が0となったイギリスですが、インド変異種の感染者増によりオレンジ・ゾーンに指定されています。
オレンジ・ゾーンからの入国には、2回のワクチン接種が完了している場合でも、出発から72時間以内に行われたPCRテストもしくは48時間以内に行われた抗原検査の陰性証明が必要になります。
ただし、ドイツでは変異種警戒から、イギリスからの入国者はワクチン接種の有無にかかわらず、到着後2週間の自主隔離を義務付けています。フランス政府もこういった流れに追従するか検討中です。
接種がいち早く進みこの夏から観光客の受け入れが発表されていたアメリカもオレンジ・ゾーンに指定されています。
ワクチン接種者については、到着時の空港でのPCR検査は免除になります。
Matignon dévoile (en détails) les règles pour pouvoir voyager en France depuis l'étranger à partir de mercredi prochain. #Covid19 pic.twitter.com/7bWv2k3jxm
— Nicolas Berrod (@nicolasberrod) June 4, 2021
フランス国民、もうすぐ日常を取り戻す?
今月3日時点のフランスにおける新規感染者は8161人と5月末にようやく1万人を切ってから減少が続いています。
この日の死者は70人で、現在の入院患者は15283人、また、ピークには6000人を超えた重症患者も2677人と激減しています。
フランスの人口10万人当たりの感染者は103人とまだまだ高く、グリーン・ゾーンには到達していませんが、ワクチン接種がスピードアップしており、6月9日に予定されているロックダウンの段階的解除第二弾の実施はほぼ確実になっています。
また、同日から飲食店の店内飲食(人数制限あり)、屋内スポーツの再開、夜間外出禁止の開始時間は2時間延長され(現在の21時が23時に)、フランス国民はほぼ日常を取り戻すことになるといえます。
執筆:マダム・カトウ