4月23日(金)、カステックス(Jean Castex)首相は昨日22日、第3回目のロックダウンを段階的に解除すると発表しました。これにより、26日(月)から学校が徐々に再開し、行動制限も解除されます。ただし、期待された商店や文化施設再開の具体的な日付は今回発表されませんでした。
小学校26日より再開、中学は地域ごと、高校は50%が対面
まずは、3週間閉まっていた保育園、幼稚園、小学校が再開します。中学校は1週間遅れの5月3日からの再開ですが、パリ市及び感染者の多い14の県では14歳以上の高学年は遠隔授業となります。
高校は引き続き授業の50%が対面、残りは在宅で自習という形で行われます。
行動制限解除も、夜間外出禁止は維持
5月3日より、現在自宅から10km以内に限定されていた行動制限が解除になります。
これによりフランス国内の往来が自由になりますが、19時〜翌6時までの夜間外出禁止については少なくとも5月中旬まで継続され、この時間帯に「例外的」に外出するためには今まで通り証明書が必要になります。
「ピークは過ぎたようだ?」の発表に、医療関係者は「時期尚早」
昨日の発表でカステックス首相が「第三波の感染ピークは過ぎたようだ」と発言したことに対し、医療関係者からは疑問の声も上がっています。
レイモン・ポワンカレ(Raymond Poincaré)病院の集中治療室責任者、ジラリ・アナンヌ(Djillali Annane) 氏は、出演したフランス国営テレビで、5月3日からの解除は「時期尚早」であり「(解除するには)感染のピークを過ぎたと確信する必要がある」と、今回の解除発表に懸念の意を表しています。
フランスでの死者はすでに10万人超え、1日の感染者は連日3万人超が続き、集中治療室には毎日患者が運ばれ続けています。
アナンヌ氏は、イギリス変異種による子供の感染が増えていることから、特に「学校再開」が「感染の再拡大を引き起こす可能性がある」とコメントしました。
ユーロディズニーで明日よりワクチン接種、ミッキーの歓迎は…ありません
4月25日(土)より、パリの東約43kmに位置するユーロディズニー(Disneyland Paris)でワクチン接種が開始されます。場所は園内のニューポート・ベイ・クラブ内にあるコンベンションセンター(会議場)です。
残念ながら?この会議場はアトラクションのあるテーマパーク外にあり、同名のホテルのほか宿泊施設のある敷地に位置します。
ユーロディズニーは、昨年3月15日〜7月15日閉園、一旦夏に再開したものの、2回目のロックダウンで10月30日から今日まで閉園しており、従業員17000人が休業しています。
ワクチン接種は土日の週末のみで、今回60名の医療関係者やスタッフが配備され、1日約1000人の接種を目指します。
パリのメッセ会場も接種会場に 接種率ようやく20%
イダルゴ(Anne Hidalgo)パリ市長は、パリのポルト・ド・ヴェルサイユ(Porte de Versailles)に位置するメッセ(見本市)会場をワクチン接種会場にすると発表しました。
パリ消防局の協力を要請し、5月上旬にオープンする予定です。
現在までのフランスのワクチン接種人数は約1300万人で、国民全体の19.8%に当たります。
執筆:マダム・カトウ