8月24日(土)からフランスのビアリッツにて7カ国首脳会議(G7)が開幕しました。25日(日)には、貿易問題や世界経済、また核問題で制裁が続くイラン問題が討議されました。本日26日の最終日は、アマゾンの森林火災などで世界が注目する、環境問題の討議が行われます。
米中貿易摩擦への懸念発表も具体策なし
G7開催直前の23日、中国が米国製品等にかける報復関税を発表し米中貿易戦争緊張が高まる中、G7参加国首脳も次々と世界経済への影響を懸念する表明したものの、具体策については発表されていません。
イラン問題、マクロン大統領の優先事項
2015年に結んだイランの核合意違反への制裁として、一方的に合意を離脱したアメリカとイランの関係修復を試みるため、マクロン大統領はイラン問題をG7の議題に組み込んだ模様です。
イラン産原油の禁輸により同国を追い詰めたいアメリカですが、2018年からの制裁に屈しないイランとの対立が続いています。
強硬策が功を奏しないことから、アメリカ側も徐々に対話に応じると見込んだマクロン大統領は、トランプ大統領との個別会談でもイラン問題に触れ、アメリカもフランスもイランとの衝突は望んでいないことで合意したと発表するなど、自らの外交手腕を発揮しています。
対話による解決をめざすマクロン大統領は今回のG7を利用して、「核合意を維持することが欧州側の総意である」というメッセージをイラン側に伝え、これ以上の関係悪化の阻止を図ろうとしています。
イラン外相ザリーフ外相がいきなりビアリッツに到着
25日夕方、フランス政府の招聘でイラン外相がビアリッツに到着し、フランスのルドリアン外相およびマクロン大統領と会談を行いました。G7の意向を伝えるのが目的であったためアメリカとの会談は行われませんでしたが、トランプ大統領は「いいんじゃない」と、容認していたと発表しています。
本日環境問題討議、アマゾンの火災は《早急に支援》で合意
《世界の肺》ともいえる広大なアマゾンの森林が10日間以上続く火災に見舞われ、鎮火のメドが立っていないことが世界中で注目されています。G7でも急遽議題に上げられ、25日、被害にあっている国々へ早急な支援行うことで合意したと発表されました。
非難の的のブラジル大統領、マクロン大統領および夫人を侮辱
今回の首脳会議に参加していないブラジルですが、ボルソナロ(Bolsonaro)大統領は森林伐採を容認し、当初アマゾン森林火災の消火に消極的だったことで欧州共同体(EU)より正式に抗議を受けていました。
抗議に腹を立てた大統領は、自らのツイートでブリジット・マクロン(Brigitte Macron)夫人の容姿をからかい、またブラジル教育相はマクロン大統領を「ご都合主義の大ばか者」と侮辱するツイートで非難を浴びています。
環境問題は本日最終日の議題として討議されます。
執筆:マダム・カトウ