1月9日(木)、昨年12月5日に政府の年金改革に反対して始まった、フランス国鉄、教員などの公務員、パリ地下鉄のストライキは36日目に突入しました。本日フランス各地で大規模デモが呼びかけられ、世界中の観光客に人気のベルサイユ宮殿もストを行います。
パリ市内の交通一部改善も、移動は困難
スト開始から1ヶ月が経過し、当初10%ほどしか運行していなかったパリ地下鉄は、全16路線中15路線が運行するなどの改善がみられるものの、自動運転の2路線を除き朝夕の通勤時間のみの運行にとどまり、さらには間引き運転のためパリ市内およびイル=ド=フランス地域圏(île-de-France)での移動は依然として大変困難な状況が続いています。
フランス国鉄、TGV4割減運行
パリ地下鉄同様、フランス国鉄では、TGVが5本に3本、トランシリアン(イル=ド=フランス地域圏内鉄道:Transilien)が3本に1本、インターシティ(Intercité)が10本に2本、TER(地域圏急行輸送:Transport express régional)が10本に4本運行と大幅な減便が続いています。
教員も政府への圧力続行
12月5日のスト初日の参加率が51%にものぼった教員ですが、本日のストにも小学校教員の約20%が参加を表明しており、政府への圧力を保ち改革への強い反対を表明しています。
ヴェルサイユ宮殿もスト
ヴェルサイユ宮殿は、本日職員のストにより通常通り開館されない可能性があると発表しています。ちなみに2018年のストでは職員が宮殿の入り口をブロックしたため、閉館を余儀なくされています。
過去30年間で最も長いスト
開始から1ヶ月が経過しても《トンネルの出口が見えない》今回の年金改革反対ストですが、フランス国鉄のストとしては1986年12月に始まった28日間の記録を更新し、過去30年間で最長のストとなりました。
政府は組合との合意間近と楽観?
ストの長期化にもかかわらず年金改革の実現を目指すフランス政府ですが、交通担当国務長官のジャン=バティスト・ジャバリ(Jean-Baptiste Djebbari)氏は、本日BFMTVの番組に出演し、「明日にでも組合との合意は可能だと信じている」と発言しています。
本日フランス各地で5回目のデモ
本日、パリ市内のレピュブリック広場(Place de la République)からデモがスタートし、北駅(Gare du Nord)、サン・ラザール駅(Gare St Lazare)付近を経てサン・オーギュスタン広場(Place St Augustin)まで行進します。
デモはパリ市内のほか、ナント(Nantes)、レンヌ(Rennes)、リヨン(Lyon)、マルセイユ(Marseille)、リモージュ(Limoge)など、フランス全土で行われます。
執筆:マダム・カトウ